2008年10月13日

デザインの中の書

02 巨大時計s.jpg10月11日、新宿のNSビルで、シンポジウムが開かれました。

 

 

 

 

 

主催はJDCA日本デザイン書道協会で、デザインの世界で筆文字を提供するみなさんが集まりました。

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会場は、この大時計のある新宿NSビルの会議室。このときは自由だったので写真が撮れたのですが、シンポジウムが始まったらもう撮影できません。自分が出てるんですもんね。

第一部は表彰式。第二部は「15分でわかる書の歴史」から始まりました。甲骨文から篆書、隷書、草書、そして楷書の成立と唐代の四大家まで、映像中心にお話しました。その後は会長の久木田さんが司会をして、お話をしたのは、岡本光平先生、荻野丹雪先生、園家文苑先生、そして私。

第三部は明治、大正、昭和の著名書家が書いた看板や商標見ながら四人でおしゃべり。その後は、デザイン業界で書を提供する場合の具体的なお話が続きました。依頼された文字を数種類書いて渡すのですが、なかなか納品させてもらえない場合が多いそうです。

岡本先生の秘策は、出張揮毫。担当者だけでなく社長や部長にも集まってもらい、目の前で書いてあげるんだそうです。向こうの依頼に応じていくつか書くそうですが、だいたい一日で仕上がるんですって。なるほどね。

荻野先生は、本命の作品といっしょに、本命を際立たせるために、いくつか提出するのだそうです。でも、本命が選ばれない場合もあるとか。

参加者からも「書道会に入っていて、臨書から抜けられないけれどどうしたらよいでしょう」とか、「自信作を提出しても、ここを直せとか言われる。そうするとどんどんレベルが落ちてしまう」など、いろいろなお話が出ました。

私も前に、実用書の本を出したいので紹介してほしいといわれ、実力者を紹介したところ、見本として渡した文字のあちこちに赤が入っていたことがありました。ここを短くするとか、はねを長くするとかです。冗談ではない。あなたは書の素人でしょう。プロの書家に向かってなんたること! と怒り、すぐさま断りました。

でも、デザインの世界では、ちょっとした書道ブームだそうです。がんばって欲しいですね。

次回は11月29日(土)弘前です。楽しい映像や話題をたくさん用意しますので、たくさんのご参加をお待ちしています。

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