2008年10月10日

2300年前の『老子』

09 郭店楚簡老子 ことばss.jpg明日のイベントのために、「15分でわかる書の歴史」を作りました。








書道史というと、石に刻された文字が中心ですが、日常の文字がたくさん発見されているので、これも入れてみたらちょっとおもしろくなりました。
まず、最古の刻石である石鼓文。
06 石鼓文s.jpg時代についてはいろいろな説がありますが、唐蘭の説に従って、紀元前374年と考えます。
秦始皇帝が文字を統一する前の、陝西省で使われた字です。
1993年、この時代の肉筆が、湖北省で発見されました。郭店楚墓から出土した竹簡です。
08 郭店楚墓竹簡老子乙本s.jpg何が書いてあるかというと
09 郭店楚簡老子 ことばs.jpg「老子」です。不思議な形の字でしょ? 老子という人物が本当にいたかどうかわかりませんが、この「老子」が今とは順番が違っていたり、ばらばらだったりしていることから、長い年月を費やして完成させたものだろうということがわかったのですって。

その百年後には
10 馬王堆帛書 老子乙本s.jpg絹に書かれた「老子」(馬王堆帛書)です。本の装丁をそのまま拝借したので、へんな状態ですがお許し下さい。
かなり現在の字に近づきましたね。


この二つの老子を使って作品にしよう、という本もあります。
『老子を書く-馬王堆帛書・老子乙本』と『続老子を書く-郭店楚墓竹簡』です。大型書店へいらっしゃったら、見てみてくださいね。

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