2008年7月16日

王羲之 法帖の名品

昨日に続いて、王羲之のことを書きます。
今回見られるのは王羲之の模本「蘭亭序・神龍半印本」です。ほかに、宮内庁所蔵の「喪乱帖」や前田育徳会所蔵の「孔侍中帖」など、日本にも名品がありますね。
初月帖 比較2.jpg
模本や臨書は習いやすい気がしますが、ちょっと待って下さいね。
上は有名な初月帖。模本と拓本を並べてみました。『中国書道史事典』には、こんな風に書かれています。

この手紙も『万歳通天進帖』に収録されている。左の図は『真賞斎帖』に刻されたもので非常に精刻である。むしろ双鉤本よりも迫力がある。

拓本でしか残っていない名品もたくさんあります。
近得書帖.jpg
大観帖自体はそれほどではありませんが、第六巻カク場残本だけはすばらしいものです。中から一点ご紹介しましょう。生き生きと筆が動いていて、臨書したくなりますね。
そして、私のお気に入りは
思想帖.jpg
これです。「思想帖」。美しいですねー。
比田井天来は、こんな風に書いています。

羲之頓首の羲の字(最初の字)から之の字(2字目)に続くべきところを、しばらく間をおいて絶えんとして続き、また絶えんとしては続いている。この不即不離のところに、えもいわれぬ妙味があります。

憂の字(4行目第一字)と深の字(次の字)はいずれも緩やかにかつ澄んで、夜明けの空をながめるような感じがする。

王羲之は蘭亭序だけではありません。拓本にもすばらしい書がたくさんあります。それらにも注目してほしいので、あまり知られていない名品もたくさん盛り込んだ本を現在製作中。お楽しみに。

さて、ちょっと堅い話が続きましたが、あしたは隊長レシピ「桃のカッペリー二」をご紹介しま〜す♪


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