2008年2月15日

民謡のカリスマ

山梨県の民謡といえば「武田節」。

甲斐の山々 陽に映えて

われ出陣に うれいなし

おのおの馬は 飼いたるや

妻子につつが あらざるや あらざるや

 

もうひとつ、おもしろい民謡があります。それは「粘土節」。

甲府盆地は昔から治水が困難で、明治以降セメントを使う前は、粘土を使って堤防を作ったそうです。この作業がとてもたいへん。

ある年、お高と呼ばれる美声の女土方が唄を歌いながら粘土打ちをしたので、ほかの土方もはずみがついて能率があがり、「粘土お高やん」の名前が有名になりましたが、工事が終わると忽然と姿を消してしまいました。これはきっと、木花咲耶姫が、工事監督のために降臨したのだろうとうわさしたそうな。

 

粘土お高やんが 来ないなんていえば 広い河原も 真の闇

粘土搗くにも 繻子の帯しめて 嫁に行く時ゃ 何しめる

粘土搗くにも 紅白粉で 堅い石屋さんを 迷わせる

唄をのろくして 気を落ち着けて 杵をのろくして 上げて搗け

行ってごごらんよ 釜無の土手に 粘土お高やんの 日除松 

 

民謡は奥が深い。

 

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