スリップのボウズ
今日は少しマニアックな話題になりますが、書店で本を購入したときに店員さんが本に挟まっているしおりのような紙を引っこ抜いているところを見たことがあるのではないでしょうか?
「スリップ」と呼ばれるものなのですが、本から引き抜いて書店の番線印を押して売れた本の出版社に戻すと、この本が書店に補充されるという注文書のようなものです。
中にはこのスリップが金券となっていて(5円券など)、集めて出版社に送ると報奨金がもらえる場合もあるのですが、最近は少なくなりました。
本の発注も今はPOSレジが多いので、バーコードをピッと呼んでレジを通すと売上実績がカウントされ、自動的に本が補充されたりします。
スリップは細長い短冊状の紙を二つに折ったもので、頭の部分が丸く出っ張っていてこの部分をボウズと呼び、本から引き抜きやすく出来ております。
この丸く出っ張っている部分は、紙のおおよそ中央部を丸く切り込みを入れるのですが、通常は製本所の機械でまとめてカットしてくれます。
弊社では部数が少ない商品もあり、自社でこの作業をしています。(こんなことしているのは、多分小社くらいではないでしょうか。)
この丸く切込みを入れる道具が「半月刃」(はんげつは)と呼ばれるものです。
その作業の様子をご紹介いたします。
上からトンカチなどで叩いて切込みをいれます。
出来上がるとこんな感じです。
丸い部分が切り込みを入れたところです。