念願ひとつ達成、しかし...
枯れ葉の絨毯から顔を出すシジュウカラ 22.1.28 東京都清瀬市
みやとひたちの鬼ごっこは、みやが飽きると高いところに避難して終わるのが常でした。
ひたちがまだ生後3・4ヶ月の仔猫の頃に、こんな場面を御覧に入れたことがありましたね。
みやに振り切られて後追いする小さなひたちがかわいそうでしたが、ひたちがこの書棚の上に飛び乗れるようになるのは時間の問題と、その頃はみな思っていました。が、予想に反して、ジャンプ力の向上以上に急速にやって来た巨大化によって、ひたちはこのピアノの高さから書棚まで飛べないまま2年が過ぎたのでした。
ひたちを振り切ったみやが、そのままよくここで昼寝をするので、空き箱で造ったダンボールハウスまで置いて、この書棚の上は久しくみやのサンクチュアリでありました。
ペントハウスでくつろぐみや
それが、ついにこのほど、鬼ごっこの末にひたちはこの棚上に飛ぶことに成功しました。
考えています。
"ココナラ大丈夫デショ"
ついに跳躍成功!
動揺してハウスから飛びだしたみや、調子に乗るひたち。
みやにとっては一大事です。この棚の上がもう安息地ではなくなったのです。
実は、みやの姿もない時に、ひたちが時々練習しているのを知っていました。ピアノの上から真剣な顔で棚上を見あげて、"ンー"などと言いながらお尻を振り降り、飛ぶぞ飛ぶぞをしては止め、また"ンー"と始めるのを何度も見ました。結局諦めたり、飛んで失敗したり。失敗すると、この棚の横にある猫トイレ、檜チップの中に縦になって足から落ちて行くのです。度重ねて失敗してもくじけずに、折々思いついては練習するのを感心していました。
がんばったね ひたち君! "マアネー"
しかし、ひたちにとってまた新たな問題が...。というのは、ひたちはこの棚の上からひとりで下りられないのです。近道は、来た道の逆にここからピアノの上に帰れば良いようなものですが、頑張り屋だけれど不器用なひたち君、壁面の照明の位置が気になって飛べないようなのです。さりとて棚から床に直接下りるのは、みやは平気ですが、ひたちには高くて怖いようです。
棚の上で"エエン エエン"と弱々しく泣いて困っているのを、家族が何度か救助しています。誰もいない時にここに乗る羽目にならないことを願っています。
生きている限り行く手には難問が控え、生きている限り何らかの努力なしには前に進めないのは猫も人も変わりないようです。何かしら困難があってこその日常です。頑張れひたち!
一方、みやはみやで、高いところから人を呼びつけて、"背中ヲ貸セ"と言うのです。側まで行って馬跳びの馬の形になると、その背中を踏み台にして下りてきます。みやの場合、本当はひとりで下りられることをみなが知っています。ですから、食事中や手を止めたくない仕事の時などに"ウニャーウニャー"と呼ばれても、私は断ることもあります。「自分で、自分で!」。しかし、そうするといそいそと踏み台になりにゆく家族(主人)がいるので、みやの我が儘は直る気配もありません。
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