集中豪雨
22.6.13 東京都東村山市
どこそこに異常な大雨、というニュースを毎日のように聞くこの頃です。局地的な豪雨は梅雨の末期によく起きる現象と言うことですが、今年は梅雨に入ると間もなく、関東地方にもこうした大雨が降っているように思います。
22.6.19 東京都清瀬市
先月の末、6月29日はこの辺りは雷雨でした。
午後8時過ぎ、ゴロゴロと不穏な音を空に聞きながら最寄り駅に着き、傘が役に立たない土砂降りの中を、ずぶ濡れになって駅前に駐めていた車に乗って間もなく、乾いた轟音とともに雷光一閃、次の瞬間には真っ暗になりました。停電です。駅前の繁華な店先の明かりもすっかり消え、コンビニも真っ暗になり、信号まで切れてしまうと辺りは漆黒の闇です。車のライトだけが街の灯りになっていました。
大きな交差点の近くで、信号がないことには進むに進めないので、どの車も申し合わせたように徐行して路肩に寄せて停まりました。雨は少し弱ったように思える中、頭の真上で盛んにゴロゴロピカピカしています。闇の街に、閃く雷光で一瞬昼間のように明るくなる時があり、対向車の運転席の人の顔まで鮮明に見える恐ろしさ。地響きするような音と言い、怖いの何の。古代にこれが神威の表れと信じられたのももっともなことに思われました。
お散歩猫、三毛の"お姉さん"
"野原ニ イタラ 帰レナク ナッチャッタノ オ家ニ 心配 カケチャッタ"
信号が回復するまで実際は数分程度でしたでしょうが、随分長く感じられました。道路の一部が冠水していて迂回を余儀なくされたり、いろいろ不慮のことが重なって、くたびれ果てて遅く家に帰り着くと、珍しくみやとひたちが玄関に走り出てきません。居間に行ってみると、ふたりテーブルの下からのそのそと匍匐前進で出てきました。これほど長い時間にわたる激しい雷に遭ったのは私も覚えがありません。猫でも怖かったのでしょうね。
"腰ガヌケテルンジャナイノ
デモ 歩クト ワニサンニ ナッチャウ"
"カミナリ ノ 時ハー テーブルノ 下デー みやチャント イタヨー
みやチャン クッツイテモ 怒ラナカッタンダヨー"
"マタ 雷 来テモイイヨー ベツニ コワクナイヨー"
"エエッ オヘソ 取ラレルッテ? 猫デモ アブナイ?"
いいから、机から降りてね。仕事ができないから。
金山調整池 22.6.30 東京都清瀬市
この時の雷雨と、その数日後にまた降った大雨はTVでも報道されました。川がひどく水かさを増し、その後もずっと濁っています。川のほとり、螢がすずしげに飛び始めていたあたりも様子が変わって、螢の姿はまったく見えなくなってしまいました。大雨に葉陰の雨宿りではとても保たなかったのでしょう。今年は写真が撮れるかと期待しておりましたので、我が家のカメラマンもがっかりしています。
幾日かするうちに、蝶や蜻蛉はまた見かけるようになりました。これは新しく羽化した新人の蜻蛉や蝶なのでしょう。命のはかなさと、たくましさと、その両方を強く印象づけられた異常気象です。
22.7.10 東京都清瀬市
22.7.10 東京都清瀬市
この大雨のあと、姿が見えなくなってしまったのは螢だけではありません。葭原(よしはら)に二羽でなかよく巣を掛けていたオオヨシキリに、その後会えなくなってしまいました。おそらくその大事なお家が雨で壊れてしまったのでしょう。ふたり揃ってどこかにまた新しい家を作っていると良いのですが。
子育てのカルガモは今年はまだこの川にいます。バケツをひっくり返したような大雨の時はどうしてしのいだのでしょう。その後も子供の数も減らず親子の姿が見とめられるので、こちらはまずは安心です。
22.7.4 東京都清瀬市
22.7.10 東京都清瀬市
22.7.11 東京都清瀬市
22.7.11 東京都清瀬市
梅雨も終盤になり、あとしばらくは激しい天候に付き合わなければなりません。水害や土砂崩れのように、人の暮らしに直接関わる被害が出ないと報道こそされませんが、この雨にたくさんの生き物が当たり前のこととして死んでゆき、また、異常なまでの強い雨の下にも事もなげに新しくたくさんの生き物が生まれています。人間もまた、そのたくさんの生き死にの中に混じっていて、普段はなかなか気がつきません。
22.7.11 東京都清瀬市