猫外交
21.7.11 東京都清瀬市
梅雨が明けて暑さが勢いを増して参りました。みやもひたちもやや暑さがこたえてきた様子。仰向け寝がいつにもまして弛緩しています。
梅雨が明けて変わったことというと、みやが早起きになりました。みやは雨の季節の長寝が終わった模様です。四時五時頃から元気に起きて、玄関のドアベルをリンリン鳴らして外出の催促です。
といっても、みやの外出はあくまで玄関先に出てゆくことまでで、そこからの景色を眺め、通りを観察し、電線の雀や燕を覗ったり、いつもの様子を点検できれば満足のようです。
ひたちはまだ朝寝坊。日中も暑さのせいか依然として昼寝が多いのですが、玄関ベルが鳴り、人が来たと分かると飛び起きて玄関に向かいます。
ひたちは人懐こい猫で、庭の中に放しておくとフェンス際から道を通る人に声を掛け、呼びとめてはフェンス越しに撫でて貰ったりしています。もうすっかり御近所に顔馴染みができ、口コミで知り合いを増やしている模様。街でたまたま行き会う時に、「ひたち君はお元気?」と、思いがけない方から御挨拶を頂いたりします。
回覧板を回したり、配り物を届けたりする近所のちょっとした用には、心得ていて玄関出口で待っているので、ひたちを抱いて出るのが習慣になっています。8キロ迫る熱い毛だらけの固まりを持ち運ぶのはこの季節結構な苦行ですが、彼は上機嫌です。
そんな風にひたちを連れている時、御近所の方に「ひたち君おいで」と言われると、人見知りをしないひたちは誰にでも機嫌よく抱かれて、ゴロゴログハグハ言いながら顔を嘗めたりするので人気者です。こんなひたちを、愛嬌の方ならともかく、虎顔が"精悍で凛々しい"と、ただの肥満体を"なんとまあ堂々と立派な"と言って下さる熱烈なファンもあるので、世間は分からないものです。甘え上手が幸いして、ひたちの評価を不当に上げていると言うほかありません。
一方みやは、ひたちのように夕涼みに抱いて出ようにも、門を出そうになると大騒ぎで暴れます。放すとさっさと玄関の中に戻ります。来客は喜ぶのですが、外で人に会うのは別らしく、人が自分を"見た"だけで「シャーシャー」抗議する怒りん坊です。よその人に抱っこされる図など想像も出来ません。ですから御近所の受けはひたちほどではありません。
門の際(きわ)、ここまでしか来られないみや。外ではやや固い表情です。
モウ ミンナモ オ家入ッテイイヨ。
しかし、みやも外に関心がないわけではありません。家の前でひたちを抱いて御近所と何と言うこともないおしゃべりをしている時、みやは決して来ようとはしませんし、連れて来れば抵抗しますが、家の中にも入らず、門の下ぎりぎりの場所に立ったり座ったりして、ずっとこちらを見ています。家族が戻るまで、そわそわとこちらを気にしながら門の際で待っています。家族にはその内弁慶な不器用な感じがいじらしく、かえって可愛く思われます。
みやは勉強の友。家の中では夜更かし家族にいつまでも付き合います。
家族にだけわがままを言い、家族にだけ甘える。
ひたちはとかく愛想がよく人に穏やかに親しむので、のほほんとした外貌と相俟って、お人好しの印象が出来ていますが、意外に散歩の犬などには厳しいと、よくひたちを抱いて散歩する息子が申します。ほかの御近所猫に対しても、F家のミミちゃんのような例外を除き、決しておっとりとはしていないと。好いのは人に対してだけ、とすると案外狡知に長けたヤツなのかも知れない、とも。
アイスクリームは当然分けてもらえると思っているひたち君
猫ハ家族ダカラネー デザート ハ アリデショー
ウナギ ハ ナクテモ イイヨー プリン ト アイスクリーム 忘レナイデネー
梅雨が明けて暑さが勢いを増して参りました。みやもひたちもやや暑さがこたえてきた様子。仰向け寝がいつにもまして弛緩しています。
梅雨が明けて変わったことというと、みやが早起きになりました。みやは雨の季節の長寝が終わった模様です。四時五時頃から元気に起きて、玄関のドアベルをリンリン鳴らして外出の催促です。
といっても、みやの外出はあくまで玄関先に出てゆくことまでで、そこからの景色を眺め、通りを観察し、電線の雀や燕を覗ったり、いつもの様子を点検できれば満足のようです。
ひたちはまだ朝寝坊。日中も暑さのせいか依然として昼寝が多いのですが、玄関ベルが鳴り、人が来たと分かると飛び起きて玄関に向かいます。
ひたちは人懐こい猫で、庭の中に放しておくとフェンス際から道を通る人に声を掛け、呼びとめてはフェンス越しに撫でて貰ったりしています。もうすっかり御近所に顔馴染みができ、口コミで知り合いを増やしている模様。街でたまたま行き会う時に、「ひたち君はお元気?」と、思いがけない方から御挨拶を頂いたりします。
回覧板を回したり、配り物を届けたりする近所のちょっとした用には、心得ていて玄関出口で待っているので、ひたちを抱いて出るのが習慣になっています。8キロ迫る熱い毛だらけの固まりを持ち運ぶのはこの季節結構な苦行ですが、彼は上機嫌です。
そんな風にひたちを連れている時、御近所の方に「ひたち君おいで」と言われると、人見知りをしないひたちは誰にでも機嫌よく抱かれて、ゴロゴログハグハ言いながら顔を嘗めたりするので人気者です。こんなひたちを、愛嬌の方ならともかく、虎顔が"精悍で凛々しい"と、ただの肥満体を"なんとまあ堂々と立派な"と言って下さる熱烈なファンもあるので、世間は分からないものです。甘え上手が幸いして、ひたちの評価を不当に上げていると言うほかありません。
一方みやは、ひたちのように夕涼みに抱いて出ようにも、門を出そうになると大騒ぎで暴れます。放すとさっさと玄関の中に戻ります。来客は喜ぶのですが、外で人に会うのは別らしく、人が自分を"見た"だけで「シャーシャー」抗議する怒りん坊です。よその人に抱っこされる図など想像も出来ません。ですから御近所の受けはひたちほどではありません。
門の際(きわ)、ここまでしか来られないみや。外ではやや固い表情です。
モウ ミンナモ オ家入ッテイイヨ。
しかし、みやも外に関心がないわけではありません。家の前でひたちを抱いて御近所と何と言うこともないおしゃべりをしている時、みやは決して来ようとはしませんし、連れて来れば抵抗しますが、家の中にも入らず、門の下ぎりぎりの場所に立ったり座ったりして、ずっとこちらを見ています。家族が戻るまで、そわそわとこちらを気にしながら門の際で待っています。家族にはその内弁慶な不器用な感じがいじらしく、かえって可愛く思われます。
みやは勉強の友。家の中では夜更かし家族にいつまでも付き合います。
家族にだけわがままを言い、家族にだけ甘える。
ひたちはとかく愛想がよく人に穏やかに親しむので、のほほんとした外貌と相俟って、お人好しの印象が出来ていますが、意外に散歩の犬などには厳しいと、よくひたちを抱いて散歩する息子が申します。ほかの御近所猫に対しても、F家のミミちゃんのような例外を除き、決しておっとりとはしていないと。好いのは人に対してだけ、とすると案外狡知に長けたヤツなのかも知れない、とも。
アイスクリームは当然分けてもらえると思っているひたち君
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