生きてゆくこと
21.5.27 東京都清瀬市
また今年も、カルガモ親子の姿の見られる季節がやってまいりました。
水面にモヘアの毛糸玉を浮かべたようにのどかに遊んでいるときもあれば、母鳥を先頭に一団となって勢いよく川を進んでいる時もあります。フワフワの雛鳥が実に勢いよく速く泳ぐのに、驚きます。それでもなお母鴨はピヨピヨした幼子に容赦ないと見えるほどの速さで進む時があり、ついて行くのに必死の雛たちを目にするのも折々です。
21.5.27 東京都清瀬市
我が家のカメラマンが偶然に取材した光景です。川底に段差があって、低いとはいえ滝のような激しい流れになっている場所を、母鴨はお構いなしに自分だけ段差を飛び越して昇って行きます。子供たちは激流の渦の中に残されて揺られています。
ココ、昇ルノ?! (ソウデス!) 21.5.27 東京都清瀬市
母鴨は下流の雛鴨の群に「おいでおいで」をしているようです。
驚いたことに、これはトレーニングであるらしい。
マダ無理ナンダケド... ソノウチ行クヨ、 21.5.27 東京都清瀬市
母鴨が子供の先を高速で進むのも、後ろに無頓着なのではなく訓練なのだろうと思えるようになりました。
自然界の親の何と優れた教育力。生きてゆくための力を授けているのです。
トレーニング無縁
今日もお気楽 仰向け寝 "起キタラ ビンチョーマグロ 食ベルカラネ"
去年の暮れの頃、御近所にロシアンブルーの野良猫が現れました。みやより小さいくらいの可憐なサイズでいて2匹の黒い仔猫連れでした。まだ授乳期の仔猫を側溝の蓋の下に隠して、ご飯探しをしていました。
幾日にもなるので、世話しようと思い切って我が家の庭先まで約100メートルを誘導して来たのでしたが、室内からナンダナンダと見つめるいつにも増して厳しい眼差しのみやと、やたらデカい虎顔のひたちを見て、ここに身を寄せる気をなくしたようでした。
まもなくして、そのロシアンブルーの親子は、同じ町内の別の道筋のお宅のお庭に、ダンボールハウスを作ってもらって落ち着いたとわかり、ほっとしました。
久しぶりにそのお宅の前を通って黒い仔猫たちに会いました。大きくなって、もう初めて会った時の母ロシアンくらいに見えます。お家の方に伺ったところ、春の早い頃に、母ロシアンは一人で出て行ったそうです。子供たちに安心な場所ができたことを確かめて、託して去って行ったのでしょう。
しかし、その後も母猫はふとやって来て、ご飯を食べてゆくそうです。始めは様子を見に来ていたらしい、最近はただお腹が空くとご飯に来ているのではないか、とお家の方は仰います。そのたびに仔猫は大喜びで、同じくらいのサイズになった母猫にまつわるそうですが、母ロシアンはそっけなく、しつこく甘えかかるとひどい声で威嚇しバシバシ殴るとのこと。子離れが済んだのだろうと仰っていました。
風氷る頃、自分は食べるものもない時に、やつれた身を削ってお乳を飲ませていた、まさに命懸けで守り育てていた子供たちですが、一人立ちできたと見ればさっと手を引く。自然界の母はまことに潔いものです。
カルガモ親子を見かけるこの時期は、あれこれ子育てのことを思う季節です。
今日も 見てます 見てます
最近、悪役もやってます。
" 確カニ虎顔ダケドー 大キイダケダヨー、コワクナイッテ。"
一人掛けの椅子で寝るのはそろそろ限界か。
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