墨場必携:和歌 『古今和歌集』168 凡河内躬恒
[和歌]
・夏と秋と行き交ふ空の通ひ路は
片方[かたへ]涼しき風や吹くらむ
『古今和歌集』168 凡河内躬恒
・夏と秋と行き交ふ空の通ひ路は
片方[かたへ]涼しき風や吹くらむ
『古今和歌集』168 凡河内躬恒
・いにしへの野中の清水[しみづ]ぬるけれど
もとの心を知る人ぞ汲む
『古今和歌集』887 詠み人知らず
・いそのかみふるの野道の草分けて
清水[しみづ]汲みにはまたも還[かへ]らむ
『古今和歌六帖』2922 詠み人知らず
・むすぶ手の滴[しづく]ににごる山の井[ゐ]の
あかでも人にわかれぬるかな
『古今和歌集』404 紀貫之
20.8.15 東京都清瀬市柳瀬川
・夏草のうへは繁れるぬま水[みづ]の
ゆく方[かた]のなきわが心かな
『古今和歌集』462 壬生忠岑
◎巻十「物名」交野(かたの)の題で詠まれた歌。
・夏の野の繁みに咲ける姫百合の
知らえぬ恋は苦しきものそ
『万葉集』1500 大伴坂上郎女
◎この「野」は「ぬ」と発音した模様。「知らえぬ」は「知られぬ」。
20.8.3 東京都清瀬市
・それもがと今朝ひらけたる初花に
おとらぬ君がにほひをぞ見る
『源氏物語』賢木
◎初花はここでは百合の花。
それが見たいと皆に待ち受けられながら今朝咲いた百合の花、その花にも勝るあなたの美しさに出会ったことです。