2008年3月15日

墨場必携:和歌 山辺赤人『万葉集』1424...

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[和歌]
・春の野にすみれ摘みにと来し我ぞ
 野を懐かしみ一夜[ひとよ]寝にける
     山辺赤人『万葉集』1424


・うらうらに照れる春日[はるひ]にひばり揚[あ]がり
 心悲しもひとりし思へば
     大伴家持『万葉集』4292


・むらさきのひともとゆゑに
 武蔵野の草はみながらあはれとぞ思ふ
     詠み人知らず『古今和歌集』


・むらさきの色濃きときはめもはるに
 野なる草木そわかれざりける
     在原業平『古今和歌集』、『伊勢物語』41段


・手に摘みていつしかも見む
 紫の根にかよひける野辺の若草
     『源氏物語』若紫 光源氏の歌




・百千鳥[ももちどり]さへづる春は物ごとに
 あらたまれども我ぞふりゆく
     詠み人知らず『古今和歌集』28


・遠近[をちこち]のたづきもしらぬ山中[やまなか]に
 おぼつかなくも呼子鳥[よぶこどり]かな
     詠み人知らず『古今和歌集』29


・春霞立つを見捨てて往く雁[かり]は
 花なき里に住みや慣らへる
     伊勢『古今和歌集』31


・起きもせず寝もせで夜を明かしては
 春の物とてながめ暮らしつ
     在原業平『古今和歌集』61、『伊勢物語』2段


【文例】 散文

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