墨場必携:和歌 「万葉集」1424...
[和歌]
・春の野にすみれ摘みにと来し我れぞ
野をなつかしみ一夜[ひとよ]寝にける
「万葉集」1424(「古今集仮名序」に山部赤人作と)
・茅花[つばな]抜く浅茅[あさぢ]が原のつぼすみれ
今盛りなり我が恋ふらくは
「万葉集」1449 大伴田村家大嬢
・春の野に咲けるすみれをてに摘みて
吾がふるさとをおもほゆるかな
良寛
・つぼすみれ咲くなる野辺に鳴く雲雀[ひばり]
きけどもあかず永き春日に
良寛
・すみれさく山の中道
むらさきのとばりのうちをゆくここちして
比田井小琴
・物部[もののふ]の八十娘子[やそをとめ]らが汲みまがふ
寺井[てらゐ]の上[うへ]の堅香子[かたかご]の花
「万葉集」4143 大伴家持
・さくらちる花の所は春ながら
雪ぞふりつつ消えがてにする
「古今和歌集」75 承均(そうく)法師
・久方のひかりのどけき春の日に
しづ心なく花のちるらむ
「古今和歌集」84 紀友則
・さくら花ちりぬる風のなごりには
水[みづ]なきそらに浪ぞたちける
「古今和歌集」89 紀貫之
・いつまでか野辺に心のあくがれむ
花しちらずは千世[ちよ]もへぬべし
「古今和歌集」96 素性
・ぬれつつぞ強ひて折[を]りつる年の内に
春は幾日[いくか]もあらじと思へば
「古今和歌集」133 在原業平
◎詞書に「弥生の晦日の日(三月末日)、雨降りけるに、藤の花を折りて
人につかはしける」とある。
藤は初夏の花に扱われることが多いが、『古今集』の頃までは晩春の歌
にも多い。春夏に渡る花。
・けふのみと春をおもはぬ時だにも
立つことやすき花のかげかは
「古今和歌集」134(春の巻末歌) 凡河内躬恒
・いたづらにすぐす月日はおもほえで
花見てくらす春ぞすくなき
「古今和歌集」351 藤原興風
・起きもせで寝もせで夜を明かしては
春のものとてながめくらしつ
「古今和歌集」661 在原業平
・春の野にすみれ摘みにと来し我れぞ
野をなつかしみ一夜[ひとよ]寝にける
「万葉集」1424(「古今集仮名序」に山部赤人作と)
・茅花[つばな]抜く浅茅[あさぢ]が原のつぼすみれ
今盛りなり我が恋ふらくは
「万葉集」1449 大伴田村家大嬢
ツボスミレ 20.4.4 東京都清瀬市
・春の野に咲けるすみれをてに摘みて
吾がふるさとをおもほゆるかな
良寛
・つぼすみれ咲くなる野辺に鳴く雲雀[ひばり]
きけどもあかず永き春日に
良寛
・すみれさく山の中道
むらさきのとばりのうちをゆくここちして
比田井小琴
タチツボスミレ 20.4.4 東京都清瀬市
・物部[もののふ]の八十娘子[やそをとめ]らが汲みまがふ
寺井[てらゐ]の上[うへ]の堅香子[かたかご]の花
「万葉集」4143 大伴家持
・さくらちる花の所は春ながら
雪ぞふりつつ消えがてにする
「古今和歌集」75 承均(そうく)法師
・久方のひかりのどけき春の日に
しづ心なく花のちるらむ
「古今和歌集」84 紀友則
・さくら花ちりぬる風のなごりには
水[みづ]なきそらに浪ぞたちける
「古今和歌集」89 紀貫之
・いつまでか野辺に心のあくがれむ
花しちらずは千世[ちよ]もへぬべし
「古今和歌集」96 素性
・ぬれつつぞ強ひて折[を]りつる年の内に
春は幾日[いくか]もあらじと思へば
「古今和歌集」133 在原業平
◎詞書に「弥生の晦日の日(三月末日)、雨降りけるに、藤の花を折りて
人につかはしける」とある。
藤は初夏の花に扱われることが多いが、『古今集』の頃までは晩春の歌
にも多い。春夏に渡る花。
・けふのみと春をおもはぬ時だにも
立つことやすき花のかげかは
「古今和歌集」134(春の巻末歌) 凡河内躬恒
・いたづらにすぐす月日はおもほえで
花見てくらす春ぞすくなき
「古今和歌集」351 藤原興風
・起きもせで寝もせで夜を明かしては
春のものとてながめくらしつ
「古今和歌集」661 在原業平
菜の花 20.3.27 清瀬市野塩明治薬科大学