2009年2月15日

墨場必携:和歌 梅


8日梅.jpg                                     21.2.8 東京都清瀬市

 ・難波津に咲くやこの花 冬ごもり
  今日[けふ]を春べと 咲くやこの花
                     『古今和歌集』仮名序

 ・たが宿のうめのはなぞも
  ひさかたのきよき月夜にここら散りくる
                          『柿本集』162
  ◎ここら:たくさん、多く


 ・勅なればいともかしこし
  鶯の宿はと問はばいかが答へむ
                『大鏡』第六巻 『拾遺和歌集』531

 ・わかやどの梅のたちえ(立枝)や見えつらん
  思ひの外[ほか]に君がき(来)ませる
                      平兼盛『拾遺和歌集』15

 ・あかざりし君がにほひのこひしさに
  梅の花をぞ けさは折りつる
                 中務卿具平親王『拾遺和歌集』1005

 ・梅の花匂[にほひ]の深く見えつるは
  春の隣のちかきなりけり
                    三統元夏『拾遺和歌集』1156

 ・梅がか(香)にたぐへて聞けは
  鴬[うぐひす]のこゑなつかしき春の明ぼの
                        『西行法師家集』22

 ・とめこ(尋来)かし 梅さかりなる我が宿を
  うときも人はをり(折)にこそよれ
                        『西行法師家集』34

 ・春くればまづ咲く宿のうめの花
  香をなつかしみうぐひすぞなく
                         『金槐和歌集』14

 ・この寝ぬるあさけの風にかをるなり
  のきばのうめの春のはつはな
                        『金槐和歌集』655

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