墨場必携:漢文 三月三十日作 白居易...
【文例】
[漢文]
・三月三十日作 白居易
今朝三月盡
寂寞春事畢
黄鳥漸無聲
朱櫻新結實
臨風猶長歎
此歎意非一
半百過九年
艷陽殘一日
隨年減歡笑
逐日添衰疾
且遣花下歌
送此杯中物
今朝三月盡き
寂寞として春事畢[を]はる。
黄鳥漸[やうや]く声無く
朱櫻新たに実を結ぶ。
風に臨みて猶ほ 長歎す、
此の歎意一つに非ず。
半百九年を過ぎ、
艷陽一日を殘す
年に隨ひて歓笑減じ、
日を逐ひて衰疾添ふ。
且[しば]し花下の歌を遣[や]り,
此の杯中の物を送らん。
・(落花古調詩) 白居易
留春春不住
春帰人寂寞
厭風風不定
風起花蕭索
春を留むるに春住[とど]まらず、
春帰つて人寂寞[せきばく]たり、
風を厭ふに風定まらず
風起(た)つて花蕭索[せうさく]たり、
・春暁 孟浩然
春眠不覺曉
處處聞啼鳥
夜來風雨聲
花落知多少
春眠[しゆんみん]暁[あかつき]を覚[おぼ]えず
処処[しよしよ]啼鳥[ていてう]を聞く
夜来[やらい]風雨[ふうう]の声[こゑ]
花落つること知んぬ 多少[たせう]ぞ
・春望 杜甫
国破山河在
城春草木深
感時花濺涙
恨別鳥驚心
烽火連三月
家書抵万金
白頭掻更短
渾欲不勝簪
国破れて山河在り
城春にして草木[そうもく]深し
時に感じては花にも涙を濺[そそ]ぎ
別れを恨んでは鳥[とり]にも心を驚かす
烽火三月[さんげつ]に連なり
家書[かしよ]万金[ばんきん]に抵[あ]たる
白頭[はくとう]掻けば更に短[みじか]く
渾[す]べて簪[しん]に勝[た]えざらんと欲す
[漢文]
・三月三十日作 白居易
今朝三月盡
寂寞春事畢
黄鳥漸無聲
朱櫻新結實
臨風猶長歎
此歎意非一
半百過九年
艷陽殘一日
隨年減歡笑
逐日添衰疾
且遣花下歌
送此杯中物
今朝三月盡き
寂寞として春事畢[を]はる。
黄鳥漸[やうや]く声無く
朱櫻新たに実を結ぶ。
風に臨みて猶ほ 長歎す、
此の歎意一つに非ず。
半百九年を過ぎ、
艷陽一日を殘す
年に隨ひて歓笑減じ、
日を逐ひて衰疾添ふ。
且[しば]し花下の歌を遣[や]り,
此の杯中の物を送らん。
・(落花古調詩) 白居易
留春春不住
春帰人寂寞
厭風風不定
風起花蕭索
春を留むるに春住[とど]まらず、
春帰つて人寂寞[せきばく]たり、
風を厭ふに風定まらず
風起(た)つて花蕭索[せうさく]たり、
遠山の桜を眺める蓬心斎先生 20.4.5 狭山丘陵(埼玉県入間市)
・春暁 孟浩然
春眠不覺曉
處處聞啼鳥
夜來風雨聲
花落知多少
春眠[しゆんみん]暁[あかつき]を覚[おぼ]えず
処処[しよしよ]啼鳥[ていてう]を聞く
夜来[やらい]風雨[ふうう]の声[こゑ]
花落つること知んぬ 多少[たせう]ぞ
・春望 杜甫
国破山河在
城春草木深
感時花濺涙
恨別鳥驚心
烽火連三月
家書抵万金
白頭掻更短
渾欲不勝簪
国破れて山河在り
城春にして草木[そうもく]深し
時に感じては花にも涙を濺[そそ]ぎ
別れを恨んでは鳥[とり]にも心を驚かす
烽火三月[さんげつ]に連なり
家書[かしよ]万金[ばんきん]に抵[あ]たる
白頭[はくとう]掻けば更に短[みじか]く
渾[す]べて簪[しん]に勝[た]えざらんと欲す
濡れた翼を春の陽に乾かす川鵜 20.4.1 東京都清瀬市柳瀬川