2008年9月 1日

墨場必携:和歌 『万葉集』4321...

[和歌]

・伊香保嶺[いかほね]に雷[かみ]な鳴りそね
 わが上[へ]には故[ゆゑ]は無けども児らによりてそ
                 『万葉集』4321
・味[うま]こり あやに羨[とも]しく
 鳴る神の 音のみ聞きし み吉野の 真木立つ山ゆ 見降ろせば
 川の瀬ごとに 明け来れば 朝霧立ち 夕されば 蛙鳴くなべ
 紐解かぬ 旅にしあれば 吾[わ]をのみして 清き川原を
 見らくし惜しも         『万葉集』車持千年 913

・雷神[なるかみ]の少し動[とよ]みてさし曇り
 雨も降らぬか君を留めむ
        『万葉集』2513

・雷神[なるかみ]の少し動[とよ]みて降らずとも
 われは留まらむ妹し留めば
        『万葉集』2514
◎『万葉集』2513、2514はともに柿本人麻呂歌集にある。
 相聞歌と見える。

・秋の田の穂の上[へ]を照らすいなづまの
 光の間にも我や忘るる
                 詠み人知らず『古今和歌集』548

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