墨場必携:漢文 「聞笛...」
第26回 星の界(よ):冬の夜空・星座・天の海・月の船・星の林・オリオン・すばる
[漢文]
・聞笛 唐 崔魯
銀河漾漾月暉暉
楼碍星辺織女機
横玉叫雲天似水
満空霜逐一声飛
銀河は漾漾[やうやう]月は暉暉[きき]
楼は碍[さまた]ぐ星辺[せいへん]の
織女[しよくじよ]の機[はた]
横玉[おうぎよく]雲に叫んで天は水[みづ]に似る
満空[まんくう]の霜は一声[いつせい]を逐[お]ひて飛ぶ
*横玉:美しい横笛
北斗星 中国文学歳時記秋上p.116
*岸置酒、贈黄十七
(*岸[べんがん]に置酒[ちしゆ]し、
黄十七[くわうじゆうしち]に贈る)
*は三水に「卞」字
吾宗端居叢百憂
長歌勧之肯出游
黄流不解*名月 *は三水に「宛」字
碧樹為我生涼秋
初平群羊置莫問
叔度千頃醉即休
誰倚柁楼吹玉笛
斗杓寒挂屋山頭
吾が宗[そう]端居[たんきよ]して百憂を叢[あつ]む
長歌之[これ]を勧[すす]め
肯[あ]へて出游[しゆついう]す
黄流[こうりゆう]名月を*[けが]すを解せず
碧樹[へきじゆ]我が為に
涼秋[りようしゆう]を生[な]す
初平[しよへい]の群羊[ぐんやう]置きて問ふ莫[な]かれ
叔度[しゆくど]の千頃[せんけい]
醉[よ]はば即[すなは]ち休む
誰[たれ]か柁楼[だろう]に倚[よ]つて
玉笛[ぎよくてき]を吹く
斗杓[とひよう]寒く挂[か]かる
屋山[おくさん]の頭[とう]
斗杓:北斗星、柄杓の形をしているところから
【文例】 和歌へ