墨場必携:漢文
21.4. 11東京都清瀬市
餞春 松本奎堂
欲迹春帰處
問春春不語
流水與落花
悠然背人去
春の帰る處を迹[たづ]ねんと欲し、
春に問ふも春語らず。
流水と落花と、
悠然として人に背きて去る。
春はどこへ行ってしまうのかと、
春に問うても春は答えない。
流れる水と散る花とが、
悠然として人を見捨てて行ってしまう。
※李白「山中問答」にある「落花流水杳然去 別有天地非人間」を引く。
21.4.8 東京都清瀬市
芳野(よしの) 藤井竹外
古陵松柏吼天飆
山寺尋春春寂寥
眉雪老僧時輟帚
落花深處説南朝
古陵[こりよう]の松柏天飆[てんぴよう]に吼え、
山寺春を尋ねて春寂寥。
眉雪[びせつ]の老僧時に帚くを輟[や]め、
落花深き處南朝を説く。
※芳野:吉野
古陵:後醍醐天皇陵(延元陵)
飆:突風、つむじ風
古い陵(みささぎ)のあたりの松柏は強風に吼えるような音を立てている。
山寺に春を尋ねてみると、春はもう盛りを過ぎてひっそりしている。
雪のような白い眉の老僧が箒を持つ手を止めて、
花の散りしきる中に南朝の故事を物語ってくれたのであった。
21.4.11 東京都清瀬市
21.4.11 東京都清瀬市柳瀬川
餞春 松本奎堂
欲迹春帰處
問春春不語
流水與落花
悠然背人去
春の帰る處を迹[たづ]ねんと欲し、
春に問ふも春語らず。
流水と落花と、
悠然として人に背きて去る。
春はどこへ行ってしまうのかと、
春に問うても春は答えない。
流れる水と散る花とが、
悠然として人を見捨てて行ってしまう。
※李白「山中問答」にある「落花流水杳然去 別有天地非人間」を引く。
21.4.8 東京都清瀬市
芳野(よしの) 藤井竹外
古陵松柏吼天飆
山寺尋春春寂寥
眉雪老僧時輟帚
落花深處説南朝
古陵[こりよう]の松柏天飆[てんぴよう]に吼え、
山寺春を尋ねて春寂寥。
眉雪[びせつ]の老僧時に帚くを輟[や]め、
落花深き處南朝を説く。
※芳野:吉野
古陵:後醍醐天皇陵(延元陵)
飆:突風、つむじ風
古い陵(みささぎ)のあたりの松柏は強風に吼えるような音を立てている。
山寺に春を尋ねてみると、春はもう盛りを過ぎてひっそりしている。
雪のような白い眉の老僧が箒を持つ手を止めて、
花の散りしきる中に南朝の故事を物語ってくれたのであった。
21.4.11 東京都清瀬市
21.4.11 東京都清瀬市柳瀬川
【文例】 和歌へ