墨場必携:漢文
梅にヒヨドリ 21.2.14 東京都清瀬市
「桃夭」 『詩経』周南
桃之夭夭 灼灼其華
之子于帰 宜其室家
桃之夭夭 有賁其実
之子于帰 宜其家室
桃之夭夭 其葉蓁蓁
之子于帰 宜其家人
桃の夭夭[えうえう]たる
灼灼[しやくしやく]たる其[そ]の華
之の子于[ここ]に帰[とつ]ぐ
其の室家[しつか]に宜[よろ]しからん
桃の夭夭たる
賁[ふん]たる其の実[み]有[あ]り
之の子于[ここ]に帰[とつ]ぐ
其の家室[かしつ]に宜[よろ]しからん
桃の夭夭たる
其の葉蓁蓁[しんしん]たり
之の子于[ここ]に帰[とつ]ぐ
其の家人[かじん]に宜[よろ]しからん
梅 21.2.22 東京都清瀬市
「桃花源記」より抜粋 陶潜
縁渓行、忘路之遠近。忽逢桃花林。夾岸数百歩。
中無雑樹。芳草鮮美、落英繽紛。
※落英:英は花びら。散る花びらのこと。
渓に縁りて行き、路の遠近を忘る。忽[たちま]ち桃花の林に逢ふ。
岸を夾[はさ]むこと数百歩、中[うち]に雑樹無し。芳草[ほうそう]鮮美、
落英[らくえい]繽紛[ひんぷん]たり。
渓(たに)に沿って行くうちに道に迷った。ふと桃花の林に出会った。
川の両岸数百歩の間、その中に桃の木以外の木はない。芳(かぐわ)しい草が
生き生きと美しく生え、桃の花びらがひらひらと乱れ散っている。
梅 21.2.15 東京都清瀬市
【文例】 和歌へ