墨場必携:近現代詩・訳詞「ロンサール詩集」より...
[近現代詩・訳詞]
・「ロンサール詩集」より抜粋 訳 串田孫一
見事に咲いた花を選び、私の手で
造った花束をあなたに贈る。
今宵、誰が摘み取らなくても、
花は、明日は、地に落ちるでしょう。
それを見て、よくお考えなさい、
今を盛りのあなたの美しさも
まもなく衰え、色あせてしまうことを、
そして、花のように、たちまち朽ちてしまうことを。
時は過ぎて行く、時は過ぎて行く、美しい人よ、
いや、時ではなく、私たちはみんな過ぎ去って行く。
・春の寺 室生犀星
うつくしきみ寺なり
み寺にさくられうらん[凌欄]たれば
うぐひすしたたり
さくら樹にすずめら交[さか]り
かんかんと鐘鳴りてすずろなり。
かんかんと鐘鳴りてさかんなれば
をとめらひそやかに
ちちははのなすことをして遊ぶなり。
門もくれなゐ炎々と
うつくしきみ寺なり。
・甃[いし]のうへ 三好達治
あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫[あし]音空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍[いらか]みどりにうるほひ
廂[ひさし]々に
風鐸[ふうたく]のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甃のうへ
・さくら(第一連抜粋) 片岡文雄
夜
さくらは天にむかつて散つていく
せかいはひとつの網膜で
はなびらのひとつひとつは
そのぬるむせかいのはてなさを
おののくのだ

とかく食欲の盛んなひたちは、うっかりすると、千切にしておいた
トンカツ用の生キャベツなんかでももりもり食べていたりします。
当然のこと、すっかりメタ坊で、胴体はポンポコ。お腹を舐めるのは
苦しい。
・「ロンサール詩集」より抜粋 訳 串田孫一
見事に咲いた花を選び、私の手で
造った花束をあなたに贈る。
今宵、誰が摘み取らなくても、
花は、明日は、地に落ちるでしょう。
それを見て、よくお考えなさい、
今を盛りのあなたの美しさも
まもなく衰え、色あせてしまうことを、
そして、花のように、たちまち朽ちてしまうことを。
時は過ぎて行く、時は過ぎて行く、美しい人よ、
いや、時ではなく、私たちはみんな過ぎ去って行く。
・春の寺 室生犀星
うつくしきみ寺なり
み寺にさくられうらん[凌欄]たれば
うぐひすしたたり
さくら樹にすずめら交[さか]り
かんかんと鐘鳴りてすずろなり。
かんかんと鐘鳴りてさかんなれば
をとめらひそやかに
ちちははのなすことをして遊ぶなり。
門もくれなゐ炎々と
うつくしきみ寺なり。
・甃[いし]のうへ 三好達治
あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫[あし]音空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍[いらか]みどりにうるほひ
廂[ひさし]々に
風鐸[ふうたく]のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甃のうへ
・さくら(第一連抜粋) 片岡文雄
夜
さくらは天にむかつて散つていく
せかいはひとつの網膜で
はなびらのひとつひとつは
そのぬるむせかいのはてなさを
おののくのだ

とかく食欲の盛んなひたちは、うっかりすると、千切にしておいた
トンカツ用の生キャベツなんかでももりもり食べていたりします。
当然のこと、すっかりメタ坊で、胴体はポンポコ。お腹を舐めるのは
苦しい。