2008年10月15日

墨場必携:唱歌・童謡 秋はいま 大和田建樹...

[唱歌・童謡]

・秋はいま   大和田建樹

1 入日さすかた山里に 秋はいま
  いねこく賤[しづ]が歌のしらべに

2 かりのこす稲葉の波に秋はいま
  さわぐ小鳥のこゑのゆくへに

3 谷川[たにが])に牛のり入れて秋はいま
   かへるわらはの籠[かご]の草むに


・月下の船   足立幽香里

 漕ぐや小舟 秋の夜の
 ますかがみ てる月に
 櫂のしづく きらら映えて
 わが袖に 玉と散る
 
 さすや水棹 汐ゆれて
 澪に引く 月のかげ
 桂のはな 袖にかをる
 うつつなの この夜さや。
   『世界音楽全集9「日本合唱曲集」』(昭和5年)所収



・秋の山   文部省唱歌

1  風清く、日はうららかに、
   黄櫨の葉の紅にほふ
   うつくしき秋の山。
   花すすき分けて登れば、
   かたはらの森の中に、
   けたたまし、百舌の聲。

2  打続く峯また峯も、
   赤と黄の織りなす錦
   かがやける秋の山。
   眺めつつしばしいこへば、
   足もとの草の陰に、
   ほそぼそと虫の声。


              20.10.5 東京都清瀬市金山緑地公園


いてふ    文部省唱歌

1  五月の朝の丘の上、
   日の照りそへば、
       新緑の
   梢さやけく、いさぎよく
   青天を摩す、
        大いてふ。
   王者に似たる姿あり。

2  暮行く秋の丘の上、
   風そよ吹けば、
       金色の
   小鳥群れつつ飛ぶごとく、
   落日に散る
       大いてふ。
   四海を照らす光あり。
     「新訂尋常小学唱歌 第五学年用」(昭和8年)所収

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