2008年4月 1日

墨場必携:唱歌・童謡 さくら さくら...

[唱歌・童謡]

・さくら さくら 日本古謡

  さくら さくら、
  野山も、里も、
  見わたす かぎり、
  かすみか、雲か、
  朝日に にほふ。
  さくら さくら、
  花ざかり。
          『うたのほん 下』昭和16年


・春のやよひ  慈鎮和尚

一  春のやよひの あけぼのに
   四方(よも)の山べを 見わたせば
   花盛りかも しら雲の
   かからぬ峰こそ なかりけれ

二  花たちばなも 匂ふなり
   軒のあやめも 薫るなり
   夕暮さまの さみだれに
   山ほととぎす 名乗るなり

三  秋の初めに なりぬれば
   ことしも半ばは 過ぎにけり
   わがよ更けゆく 月影の
   かたぶく見るこそ あはれなれ

四  冬の夜寒の 朝ぼらけ
   ちぎりし山路(やまぢ)は 雪ふかし
   心のあとは つかねども
   思ひやるこそ あはれなれ
          『小学唱歌集 第二編』明治16年


・鳥の声(こゑ)  作詞者未詳
 
一 鳥の声 木ぎの花 野辺にみちて
  かすみけりな のどかなる春の日や

二 むしの声 露のたま 野辺にみちて
  ゆくもゆかれず きよらなる月の夜や
          『小学唱歌集 第二編』明治16年





     サイズはもしかすると完全に逆転しました。
     取っ組み合いは今のところ好い勝負ですが、みやは怒りん坊。
     ひたちは無言で飛びかかり、みやは大音量で抗議のアピール。


・岸の桜  作詞者未詳
 
一  岸の桜の はなさくさかりは
   水のそこにも 白雲かゝれり
   すみだの川の かはのせくだし
   漕げや小舟[をぶね] 花にうかれて
   雲にさをさし 霞にながして
   こぐや雲ゐに かすみの海に

二  秋のもなかの さやけき月夜は
   水のそこにも 白玉しづめり
   隅田の川の かはの瀬のぼし
   こぐや小舟 月にうかれて。
   棹のしづくの 光もさながら
   真玉しら玉 しら玉またま
          『小学唱歌集 第三編』明治17年


                   本も少しは読みますが。

・園生の梅  作詞者未詳
 
一  そのふの梅の 追風に わがすむ山も
   春めきぬ 門田の雪も むら消えて
   若菜つむべく 野はなりぬ

二  弥生[やよひ]のそらに 野辺みれば 菫[すみれ]の
   花さく 山みれば 雪かあらぬか
   そこかしこ 桜の花も さきそめぬ
          『小学唱歌集 第三編』明治17年


・四季の月  作詞者未詳
 
一  さきにほふ やまのさくらの
   花のうへに 霞みていでし
   はるのよの月
          『小学唱歌集 第三編』明治17年



                    20.3.18東京都清瀬市

・さけ花よ  作詞者未詳

  一 さけ花よ さくらの花よ
  のどけき春の さかりの時に
  さけ花よ 桜のはなよ

二 ふけかぜよ 春風ふけよ
  さきたる花を ちらさぬほどに
  ふけ風よ はるかぜふけよ

三 なけ蛙 やよなけかはづ
  すみゆく水の にごらぬ御代に
  なけかはづ やよ鳴け蛙

四 なけ鳥よ うぐひすなけよ
  さきたる花の さかりの春に
  なけとりよ 鶯なけよ

五 やよ人よ ひとひとうたへ
  鶯かはづ うたをぱうたふ
  やよ人よ ひとひとうたへ
          『小学唱歌集 第三編』明治17年


・花月  作詞者未詳

一  花を見る時は こゝろいとたのし
   心たのしきは 花のめぐみなり

二  月をみる時は 心しづかなり
   こゝろ静けきは 月の恵なり

三  よきをみて移り 悪をみてさけよ
   朱に交はれば あかくなるといふ
          『小学唱歌集 第三編』明治17年





      紐のおもちゃは二人のお気に入り。
      みやが興じていると、たいていひたちが割り込んで取ってしまいます。
      みやは怒らずに、上から紐を操って二人遊びにします。大人らしい
      余裕が出てきました。


・謡ひて謝せよ  大和田建樹

一  朝霞 まだ夜[よ]をのこす
   谷かげの さびしき空に
   たれかまづ 春をいざなふ
   うつくしき たゞ鳥の歌

二  雲ふかく 里へだゝりて
   友とほき 旅路[たびぢ]の暮に
   憂きこゝろ たれなぐさむる
   いさましき たゞ水[みづ]の歌

三  鳩車[はとぐるま]ひき つかれたる
   をさなごを 夢に送りて
   誰かその ねむりを守る
   愛ふかき たゞ母の歌

四  人の世の はかなきねがひ
   浮き沈み 身をおほふ時
   胸の火を 誰かしづむる
   清浄[しやうじやう]の たゞ神の歌

五  おもへ人 耳にわかれて
   うまれなん 世はいかならん
   もろともに うたひて謝[しや]せよ
   世にあまる あゝ神の恩
           『明治唱歌 第二集』明治21年

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