2008年2月 1日

墨場必携:唱歌・童謡 「雪」...

[唱歌・童謡]

・雪

  雪やこんこ、霰[あられ]やこんこ。
  降つては降つては、
  ずんずん積る。
  山も野原も綿帽子[わたばうし]かぶり、
  枯木[かれき]残らず花が咲く。

  雪やこんこ、霰やこんこ。
  降つても降つても、まだ降りやまぬ。
  犬は喜び庭[には]駆けまはり、
  猫は火燵[こたつ]でまるくなる。

    『尋常小学唱歌 第二学年用』明治44年(1911)


 
           室内が寒くないと、寝る時もこんなです。

・冬の夜  文部省唱歌

  燈火[ともしび]ちかく衣[きぬ]縫ふ母は
  春の遊[あそび]の楽しさ語る。
  居並[ゐなら]ぶ子どもは指を折[を]りつつ、
  日数[かず]かぞへて喜び勇む。
  囲爐裏(ゐろり)火はとろとろ、外は吹雪[ふぶき]。

  囲爐裏のはたに繩[なは]なふ父は
  過ぎしいくさの手柄を語る。
  居並ぶ子どもはねむさ忘れて、
  耳を傾け、こぶしを握る。
  囲爐裏火はとろとろ、外は吹雪。

    『尋常小学唱歌 第三学年用』明治45年(1912)

◎2番「過ぎしいくさの手柄を語る」の部分は、太平洋戦争後「過ぎし昔の思いで語る」と改変。2番は歌意が通らなくなった。


・椿  永井花水

 お山のお山の
 尼寺に尼寺に
 白い椿が
 咲いたとさ 咲いたとさ
 
 ポクポク木魚を
 打つたびに 打つたびに
 白い椿が
 散つたとさ 散つたとさ
2 
 ふもとのふもとの
 水車場に水車場に
 赤い椿が
 咲いたとさ 咲いたとさ
 
 ゴトゴト水車が
 まはるたびまはるたび
 赤い椿が
 散つたとさ 散つたとさ



 



          ひたちはみやと一緒に寝たいのですが、つい調子に乗ってやたら抱きつこうとするので
          みやは警戒しています。今のところ許容範囲はこのくらいまで。


・冬景色  文部省唱歌

  さ霧消ゆる湊江[みなとえ]の
  舟に白し、朝の霜。
  ただ水鳥の声はして、
  いまだ覚めず、岸の家。

  烏[からす]鳴きて木に高く、
  人は畑[はた]に麦を踏む。
  げに小春日[こはるび]ののどけしや。
  かへり咲[ざき]の花も見ゆ。

  嵐吹きて雲は落ち、
  時雨[しぐれ]降りて日は暮れぬ。
  若[も]し燈[ともしび]のもれ来[こ]ずば、
  それと分[わ]かじ、野辺の里。
    『尋常小学唱歌(五)』大正2年(1913)


・おおさむこさむ  わらべうた

  おおさむこさむ
  山から小僧(こぞう)が
  泣いてきた
  なんといって泣いてきた
  なんといって泣いてきた
  寒いといって泣いてきた


・春よ来い  相馬御風

  春よ来い 早く来い
  あるきはじめた みいちやんが
  赤い鼻緒[はなを]の じよじよはいて
  おんもへ出たいと 待つてゐる

  春よ来い 早く来い
  おうちのまへの 桃の木の
  蕾もみんな ふくらんで
  はよ咲きたいと 待つてゐる
    『木かげ』大正12年(1923)
 ◎じよじよ:草履の幼児語

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