2008年7月 1日

墨場必携:唱歌・わらべ歌 おころり小山 北原白秋

[童謡・わらべ歌]

・おころり小山  北原白秋

  おころり小山の白兎 白兎
  ねんねんころりと もうねてか
  椎[しい]の実 かやの実
  探してか 探してか

  おころり小山の白兎 白兎
  お耳もすやすや ようねてか
  三日月さまゆゑ
  まだねぬか まだねぬか

  おころり小山の白兎 白兎
  ねんねんころりよ おころりよ
  ねないと あられが
  ころげます ころげます




・蛙[かえる]の笛  斎藤信夫

  月夜の 田圃[たんぼ]で コロロ コロロ
  コロロ コロコロ 鳴る笛は
  あれはね あれはね
  あれは蛙の 銀の笛
  ささ 銀の笛

  あの笛きいてりや コロロ コロロ
  コロロ コロコロ 眠くなる
  あれはね あれはね
  あれは蛙の 子守唄
  ささ 子守唄

  蛙が笛吹きや コロロ コロロ
  コロロ コロコロ 夜が更ける
  ごらんよ ごらんよ
  ごらんお月さんも 夢みてる
  ささ 夢みてる



・おうま 林柳波

1 お馬のおやこは なかよしこよし
  いつでもいっしょに ぽっくりぽっくりあるく

2 お馬の母さん やさしい母さん
  こうまを見ながら ぽっくりぽっくりあるく


・七つの子  野口雨情

  烏[からす]なぜ啼[な]くの
  烏は山に
  可愛[かわ]い七つの 子があるからよ

  可愛い 可愛いと 烏は啼くの
  可愛い 可愛いと 啼くんだよ

  山の古巣へ いって見てごらん
  丸い眼をした いい子だよ





・子守り歌  民謡

  ねんねん ころりよ
  おころりよ
  ぼうやは 良い子だ
  ねんねしな

  ぼうやの おもりは
  どこへ行つた
  あの山 越えて
  里へ行つた

  里の 土産[みやげ]に
  何もろた
  でんでん太鼓に
  笙の笛


・江戸子守歌

  坊やはよいお子お寝ねしな 坊やのお守はどこへ行った
  あの山越えて里へ行った 里のみやげに何もろた
  でんでん太鼓に 笙の笛 金の手筥に 銀の杖
      ねんねんおねむのよいお子よ 夢のお里でお寝ねしな


・竹田の子守り唄  民謡(京都)

  守[も]りもいやがる 盆からさきにや
  雪もちらつくし 子も泣くし

  盆が来たとて 何うれしかろ
  かたびらはなし 帯はなし

  この子よう泣く 守りをばいじる
  守りも一日 やせるやら

  はよも行きたや この在所こえて
  向こうに見えるは 親の家


・中国地方の子守歌

  ねんねこ しゃっしゃりませ
  寝た子の かわいさ
  起きて 泣く子の
  ねんころろ つらにくさ
  ねんころろ ねんころろ

  ねんねこ しゃっしゃりませ
  きょうは 二十五日さ
  あすは この子の
  ねんころろ 宮参り
  ねんころろ ねんころろ

  宮へ 参った時
  なんと言うて 拝むさ
  一生 この子の
  ねんころろ まめなように
  ねんころろ ねんころろ


      みやのお気に入りは白い犬のぬいぐるみ
      持って寝るのは赤ちゃん猫の時から変わりません。

[訳詩・近代詩]

・シューベルトの子もり歌  内藤濯

  ねむれねむれ 母の胸に
  ねむれねむれ 母の手に
  こころよき 歌声に
  むすばずや 楽しゆめ

  ねむれねむれ 母の胸に
  ねむれねむれ 母の手に
  あたたかき その袖に
  つつまれて ねむれよや

  ねむれねむれ かわいわく子[ご]
  一夜[ひとよ]寝[い]ねて さめてみよ
  くれなゐの ばらの花
  開くぞや まくらべに

  ねむれねむれ 母の胸に
  一夜寝ねて 起きてみよ
  かをりよき ゆりの花
  にほふぞや ゆりかごに


・ねむの木の子守歌  美智子皇后陛下

  ねんねの ねむの木 眠りの木
  そっとゆすった その枝に
  遠い昔の 夜[よ]の調べ
  ねんねの ねむの木 子守歌

  薄紅[うすくれない]の 花の咲く
  ねむの木蔭[こかげ]で ふと聞いた
  小さなささやき ねむの声
  ねんね ねんねと 歌ってた

  故里[ふるさと]の夜[よ]の ねむの木は
  今日も歌って いるでしょか
  あの日の夜[よ]の ささやきを
  ねむの木 ねんねの木 子守歌



・ブラームスの子守歌(一部抜粋)  武内俊子

  ねんねんころり 母の歌に
  月も昇る 夢の小道
  ひらり ひらり ひらり蝶々
  花のかげへ 宿をかりに


・ブラームスの子守歌  緒園涼子[りょうし]

  ねむれよあ子 ばらの花
  汝[な]がもとに 咲きめぐる
  ねむれあ子よ いと楽しく
  夜のとばり きえゆくまで

  ねむれよあ子 天[あま]つ神
  汝が夢路 みまもれば
  ねむれあ子よ 眼[まなこ]とじて
  楽し夢路 たどりゆけよ


・ブラームスの子守歌(一部抜粋)  旗野十一郎

  よい子 よい子
  おお ねんねしな
  おお ねんねする愛子[いと]さまへ
  何をあげよ 五色[ごしき]のまり
  たまの笛[ふゑ]か あづまの琴


・ブラームスの子守歌  堀内敬三

  眠れよ吾子[あこ] 汝[な]をめぐりて
  美[うるは]しの 花咲けば
  眠れ、今はいと安[やす]けく
  あした窓に 訪[と]ひくるまで。

  眠れよ吾子 汝が夢路を
  天[あま]つ使い 護りたれば
  眠れ、今はいと楽しく
  夢の園に ほほゑみつつ。


・ブラームスの子守歌(一部抜粋)  中山知子

  バラの花は 風に揺れて
  夢の歌を うたいます
  ねむれぼうや 静かな夜
  花の中で 朝を待つの

  空の星は ひかり青く
  夢の国へ さそいます



・フリースの子守歌(モーツァルトの子守歌)  堀内敬三作詞

  ねむれよい子よ 庭や牧場に
  鳥もひつじも みんなねむれば
  月はまどから 銀の光を
  そそぐ この夜
  ねむれよい子よ ねむれや

  家の内外 音はしずまり
  たなのねずみも みんなねむれば
  奥のへやから 声のひそかに
  ひびくばかりよ
  ねむれよい子よ ねむれや

  いつも楽しい しあわせな子よ
  おもちゃいろいろ あまいお菓子も
  みんなそなたの めざめ待つゆえ
  夢にこよいを
  ねむれよい子よ ねむれや


・風の子守歌(抜粋)  別役実

  おやすみなさい
  かぜは行ってしまった日を
  かぞえながら吹くのです
  あの日のしあわせと
  この日のふしあわせと
  いつかみた あおいそら

  おやすみなさい
  かぜは忘れてしまったことを
  かぞえながら吹くのです
  あの日のしあわせと
  この日のふしあわせと
  いつかみた ひのひかり


・ゆりかご  平井康三郎

  ゆりかごに ゆれて
  静かに ねむれ
  風は そよそよと
  白き腕[かいな]に 吹くよ

  ゆりかごに ゆれて
  静かに ねむれ
  風は 夢をさまし
  黒き瞳に 吹くよ


20.6.28 東京都清瀬市

・揺籃[ゆりかご]のうた」  北原白秋

  揺籃のうたを
  カナリヤが歌うよ
  ねんねこ ねんねこ
  ねんねこよ

  揺籃のうえに
  枇杷[びわ]の実が揺れるよ
  ねんねこ ねんねこ
  ねんねこよ

  揺籃のつなを
  木ねずみが揺するよ
  ねんねこ ねんねこ
  ねんねこよ

  揺籃のゆめに
  黄色い月がかかるよ
  ねんねこ ねんねこ
  ねんねこよ

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