2008年3月 1日

墨場必携:散文 『枕草子』4段...

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[散文]

・三月三日は、うらうらとのどかに照りたる。桃の花のいま咲きはじむる。
 柳などをかしきこそさらなれ。それもまたまゆにこもりたるはをかし。
 ひろごりたるはうたてぞみゆる。
     『枕草子』4段

・木の花は こきもうすきも紅梅。
     『枕草子』37段


20.2.28東京都小金井市小金井公園

・あてなるもの(上品な感じがするもの) 梅の花に雪のふりかかりたる。
     『枕草子』42段

・雪のただいささか散るに、春のとなり近く、梅のけしき見るかひありて
 ほほゑみたり。
     『源氏物語』「若菜下」


・霞める月の影 心にくきを、雨のなごりの風すこし吹きて、花の香なつか
 しきに、殿のあたりいひ知らず匂[にほ]ひみちたり。
     『源氏物語』「梅枝」


20.2.28東京都小金井市小金井公園
【文例】 近現代詩

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