23日から28日まで開催される毎日書道展中国展で、比田井天来書「黒木御所遺阯」(島根県隠岐)の肉筆と拓本が展示されます。会場は広島県立美術館地下1階ギャラリー。新聞記事はこちら。24日午前11時から、展示された作品の前で、私が解説をします。
石碑は隠岐西之島に建っています。天来晩年の特徴を遺憾なく発揮したすばらしい書で、みずみずしい潤いにあふれ、その存在感は自然の風景に新しい価値を与えているかのようです。肉筆が隠岐以外の場所で展示されるのは、これが初めてです
比田井天来が隠岐に行ったのは昭和11年8月27日のことでした。同行者は妻小琴、次男漸(後の南谷)、田中雄太郎氏。旅の詳細は以前の連載「たびかがみー昭和初期のフォト紀行」(96回〜126回)『四の巻』(埼玉・出雲・隠岐への旅)にあります。この石碑は、隠岐を訪れた時、役場の方に頼まれてその場で揮毫したもの。その時の様子は、「知られざる比田井天来」で読むことができます。第10回・11回・12回。また、黒木御所遺阯を撮影した動画は、全国の天来の足跡をロケしたDVD「現代書道の夜明け・比田井天来の生涯」で見ることができます。
などとのんきなことを言っていますが、台風はどうなんでしょうねえ。