6月11日(土)から7月2日(土)まで、京橋の加島美術で「比田井南谷展」が開催されます。今まであまり紹介されることのなかった珍しい作品を含めて、約30展が展示されます。
初日、午後2時から、トークイベントが予定されています。出演は秋元雄史先生(東京芸術大学美術館館長・金沢21世紀美術館館長)と私(南谷の娘なのでがまんしてください)です。
秋元雄史先生と初めてお目にかかったのは、今年3月、動画のインタビュー撮影のときでした。南谷の作品をご覧になるのは初めてで、それほど書道に親しまれていないと思うのですが、お話の的確なこと! ご自身もアーティストだということもあるのでしょうが、こんなに鋭い感性をお持ちなのかとびっくりしました。
触発された私は、父とかわしたいろいろな会話を思い出し、考えを発展させることができたのです!
トークイベントでは、南谷がどのように作品を作ったか(制作に先立っておびだたしいスケッチを書いた)など制作秘話(スライド)や、
1965年にニューヨークで撮影された抽象表現主義のアーティストが作品を書いたり、南谷と合作する様子(動画・初公開も含む)なども紹介し、書が拓いた新しい分野について考えたいと思います。
会場はあまり広くないので、興味のある方はお早めにお越しください。
午後3時からは、高橋蒼石先生による実演イベントがあります。あの、南谷独特の立体的な効果を生む墨(二種類の古墨を磨り混ぜる)を、実際に使ってみますよ!
ちなみに、比田井南谷は活動していた当時、日本や欧米の新聞雑誌に頻繁に紹介され、自らも記事を書きました。それらはすべて、スクラップブック2冊に貼り込まれ、保存されています。当時の書壇の様子(伝統派からは非難轟々)や海外の反応を活き活きと今に伝える貴重な資料! これらも含め、比田井南谷のホームページを作っています。6月10日夕方(ギリギリなのだ)に公開する予定ですので、こちらもお見逃しなく。(天来書院ホームページから見られます)
さらに、ちなみに、いろんなことをいっぺんに始めるのが私の悪い癖。ご迷惑をおかけしている関係者のみなさま、ごめんなさい。