比田井天来のニセモノ 答え
昨日アップした作品、どちらがホンモノかわかりましたか?
右がホンモノ、左はニセモノです。
書学院の「天来にせもの」と書かれた封筒に入っていたものの一つです。
右の作品は、若いときのものです。多分、日下部鳴鶴の筆法、廻腕法から俯仰法へ移行する時期のものだと思います。後の作品に比べて、曲線が多く、しゃきっとしていないと感じる方もいらっしゃるかも。。
でも、左のものは、ぐにゃぐにゃとバランスが悪く、あちこちにありえない点画があります。
ちなみに、印を確かめてみましょうか。
よく見る印ですね。この印には、ちょっと秘密があるんです。
これらは全部ホンモノです。一番右は徐星州が刻した印で、初期の作品に押されていた印影です。ところがしょっちゅう使ったのですり減って、真ん中の状態になってしまいました。天来はこれが気に入っていたので、高石峰先生に彫ってもらったのが左のものです。60歳過ぎからは、左の印を使っています。
それでは、確かめてみましょうか。
ニセモノに押されていた印を青くして、バックを透明にして重ねてみました。よく似ていますが、微妙にずれています。
21日はこんなふうに、科学的にニセモノをあばいていきます。
天来作品を扱っている古美術商のみなさま、見た方がいいと思いますよ〜