東京の「今」をアートで感じる4日間「アートウィーク東京」が、11月2日から5日まで開催されています。

今年から始まる「Art Focus」は、「平衡世界 日本のアート、戦後から今日まで」というタイトルで、「滋賀県立美術館ディレクター(館長)の保坂健二朗さんをアーティスティックディレクターとして迎え、64名のアーティストによる100点を超える作品を通じて、日本の近現代美術のキーワードを再考」するというもの。

都内の美術館とギャラリーが参加し、作品を買うこともできます。

 

ここに、比田井南谷作品も展示されるので、10月31日のVIPプレビューに行ってきました。

事前に申し込まなくても撮影OKだそう。

展覧会はこうでなくちゃね。

 

会場は大倉集古館。

まずは、この美術館を作った大倉喜八郎さんのくつろいだ銅像がお出迎えです。

本に手を置いているのがいいですね。

 

大倉集古館は現存する日本最古の私立美術館であるとともに、日本で最初の財団法人の私立美術館です。

日本・東洋各地域の古美術品と、日本近代絵画のコレクションが有名ですが、今回はここに現代美術が展示されるのです。

さてさて、どんな展示になっているのでしょう。

 

おお、不思議な空間です。

手前は菅木志雄の「離空」、1975年の作品です。

奥にあるブロンズは勅使河原蒼風の作品で、「タイトル不詳」だそう。

撮影してもいいと言われても、アングルが難しい。

人がいない場所を見つけなければならないし。

 

展示はいろいろなテーマ別になっています。

ここは「書の場」と名付けられたスペースで、左から大西茂の「Composizione X3」(1962年)、井上有一「愛」(1973年)、比田井南谷「作品36」(1956年)。

大西茂は数学の研究者でもあり、「書家とは全く異なる背景を持っていたからこそ、別のラディカルな可能性を探求できた(保坂健二朗)」と図録に書かれていました。

 

井上有一の「α No.26」(1952年)。

珍しい作品です。

 

磯崎新の「ハラ・ミュージアム・アーク 観海庵」と「移 水戸芸術館縁起」。

ともに2019年の作品。

 

中央が、李禹煥の「Untitled」(2008年)、左と右は小川待子で「無題」、左は1993年、右は1996年の作品です。

 

斎藤義重「作品」は1958年のもの。

この年代の作品は珍しいですね。

斎藤義重さんは拓本がお好きで、東京画廊で「磨崖碑拓本展」をしたとき、南谷との対談が芸術新潮に載りました。

 

わお、なんだこれは。

大倉集古館の収蔵品ですね。

「畏怖金剛像」、中国清時代のものです。

 

なんだか楽しい気分で見終わりました。

 

保坂健二朗さんの文章に、

書は、グローバルなアートになれないのだろうか。〈中略〉

書の別の可能性。それは(漢字に限らない)文字あるいは記号全般が書かれる場とは人間にとってなんであるかを検証しようとする営為として、書を捉え直すことにある。

とありました。

 

今年2月、√kで開催された比田井南谷展でのトークイベントでも、書に関する興味深いお話をうかがいました。

もう一度お話してみたいものです。

 

アートウィーク東京に関してはこちらをご覧ください。