各国大使に禅と書を紹介しました

2016年8月8日

外務省と長野県の企画で、各国大使に禅と書を紹介するイベントが行われました。揮毫は石飛博光先生です。

会場は、比田井天来ゆかりの貞祥寺。

01 貞祥寺

ここは、天来が上京するきっかけとなった大事なお寺です。ここで天来が「知足軒」という扁額を書き、それを見たご住職が、上京を強く勧めました。ほかに「看脚下」という晩年の扁額もあります。

今回、たいへんだったのは、全部英語にしなくてはならないこと。翻訳はムー教授が引き受けてくれました。それもあわせてご紹介しましょう。司会は私、通訳さんが英語にしてくれました。

まずは

以心伝心_1

「以心伝心」です。”Teaching mind with mind” 日常語になっていますが、本来の意味は、言語や文字を媒介とせず、悟った内容を師から弟子に直接に伝えること。かろやかな行書です。

はい、上の写真に天来の扁額が見えますね。左が「知足軒」で右が「看脚下」です。

以心伝心_2-2

写真を撮っていいですか? と聞かれたので、「石飛先生は写真ぐらいでは動じません」と答えたら、みなさん撮るわ撮るわ。動画も撮っていたのでユーチューブにあがっているかも。

以心伝心_3

下に英語を書いていらっしゃいます。石飛先生ってすごい♡

続いて「非思量」。ものを考えないこと。一切の相対的・対立的な観念を捨て、一切の事物に対するとらわれの心を捨てて、正しく真理をとらえること。英語では”Nonthinking”。 

非思量_1

書体は隷書です。こんな風に、一作ごとに雰囲気も運筆のリズムも変わるので、見ている人は大満足です。

非思量_2

この作品も、下に英語が入ります。すごくおしゃれな作品になりました。

続いて、魚行水濁(魚行きて水濁る)。”No fish can swim without making the water muddy.”

魚行水濁_1

なんと、魚は象形文字です。これは外人さんにとって嬉しいですね。右の男性お二人、楽しそうに話しています。

魚行水濁_2

完成です。みなさん大拍手。作品のさまざまな造形が、筆使いによって生まれることがわかっていただけたみたいです。あらゆる古典名品を極めた石飛博光先生だからできることです。エッヘン(私がいばってどうする)

揮毫作品

3点がそろいました。形も書体もリズムも異なった作品なので、書の醍醐味を味わってくださったのではないかと思います。

集合写真

作品を飾って記念写真。大使や書記官の方々です。右から二人目が佐久市長柳田さん。みんな楽しそうですね。またこういうの企画してほしいなあ。

Category :
書道