文房四宝を楽しむ
せいひぞうぬし
清秘蔵主
早川忠文
硯
硯1 硯の分類と実用硯
「硯」すなわち石を見る硯は墨を磨るという実用的な役割が第一義です。されば墨が良くおりる石質であることはもちろんの事ですが、それに応じた海(硯池・けんち)と岡(墨堂・ぼくどう)であるべきです。にもかかわらず、硯には、蘭亭硯や蓬莱硯をはじめ実用的には極めて不向きな硯式、意匠のものがあります。それらは硯石の石色や石紋を生かし、故事来歴、吉祥、写実(工画)などを巧みに刻して、文人の宇宙、理想郷を表現しています。硯は又、筆墨紙に比べ、極めて消耗的性格が弱く、ゆえに伝承性が強いという特色があります。いわゆる「古硯」という世界の成立はここにあります。良い硯との出会いは、墨を磨る事が楽しくなるばかりでなく、墨
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硯2 唐硯
三大名硯「端渓硯」「歙州硯」「澄泥硯」を、写真と共にご紹介します。
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硯3 和硯
日本で産出される硯を総称して和硯といいます。古来。日本各地で硯が作られてきましたが、今現在も作られ、流通している物となると、かなり限られた物になってしまいます。
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硯4 鑑賞硯と硯譜
硯は実用硯と鑑賞硯とに分けることができます。鑑賞硯と硯譜、仿古硯について、最後に硯の手入れの仕方のご紹介です。
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