フローリング板に漆を塗り終えた時点で改修の見積りを出してもらった工務店に連絡を入れるも常に留守録状態。何度伝言を入れても折り返しの返事がこない。
その為、工務店が連れてきた下請け会社に「折り返し連絡がほしい」と伝言してもらうもこれまた梨の礫。「コロナに罹ったのか?」と心配したりして2週間もの間、キツネに摘まれている感じだった。その状況を知人に話すと「改修の仕事は利益が取れないから」「他に大きな仕事が入ったのでは?」と。仕方ないので紹介元に連絡し事情を話すと、「予定していた仕事がひと月延期になったから来週から行けるよ、自分の相棒も雨の日??に手伝えるって」ということになりホッとした。ということで、二人の腕利き大工さんに入ってもらうことに。結果オーライになりました。
写真は応接間です。畳を捲り床板の傷んだ箇所を切除しそこに要らなくなった他の床板を切って嵌め込みました。多少台形になっていたところを上手く合わせれたと我ながら満足しています。ここまでは私の仕事でこれから先は大工さんに引き継ぎます。

床板を揃えて固定します。ちなみに、畳を敷いていた時は床板は乗せているだけで固定はしていませんでした。その上から根太組み(細長い棒状の板を45cm間隔で敷きます)していきます。根太組みに際し大工さん、予め1mm、2mm、3mm厚の調整用の木切れを多数用意し、それを30cm間隔で噛まし水平を出すよう微調整します。本当に根のいる作業ですが、数時間で水平を出しました。正に神業!見ていて感動ものでした。隙間に断熱用の発泡スチロールを敷き、捨て板とよばれる合板を貼っていきます。

写真は合板を貼り終えたところです。この上からフローリング板を貼っていきます。
1枚目を貼れば半分終わったも同じということで1枚目と最後の1枚には頭(計算)と労力を使うそうです。通常は最初と最後の1枚の固定には上から釘を打ちますが、拘りから釘を使わず最後の1枚には何とこんな技を使っていました。そこは熟練大工。こんな技があるとは驚きました!写真をご覧ください(下の写真1枚目は最初の1枚、2枚目は最後の1枚)。

根太用の細長い木をつつかえ棒にして天井の柱とフローリング板の間に噛ます。それを4本弓状にして板を上から押さえて固定しました。

ということで、ボンドが乾燥したらフローリングへの張り替えが完成します。

私の方はというと、離れにある茶室入り口の廊下を塗り直しをしました。
経年で表面の漆が飛んでいて紅殻が少し残っている状態(下の写真の1枚目の壁から右側3枚)。左側5枚は1回塗ったところです。生漆に赤い紅殻(ベンガラ)を混ぜてそれを3回塗り重ねました。柱も塗り直しています。漆の味わいと光沢感が戻ってきました。

最後に数年前に製作した四方盆。中々好評でした。
ただ、もう少し大きいのがほしいというお客様用に長方形のものを製作中です。

2箇所の角に螺鈿を貼っています。全体に漆を塗っています。この後、研いで貝を出し全体を艶げて完成です。
乞うご期待下さい!