2009年1月21日

墨の色 油煙墨と松煙墨

油煙墨と松煙墨-淡s.gif
今日は墨の色についてお話ししましょう。




墨の色はもちろん黒。でも、書くと青っぽいものや茶色っぽいものがありますね。
試してみましょう。

使った墨.gif
使ったのはこの三種類。中国の墨です。左から鉄斎(油煙墨・文革前)、黄山松煙(松煙墨・文革前)、古墨(松煙墨・百年ほど前のもの)。
最近の墨は青等の顔料をまぜてあったりするので、古い墨を使いました。古墨は顧問愛蔵の逸品です。
書いてみると
油煙墨と松煙墨 濃.gif
普通の濃さで書いてみました。色の違いはあまりわかりません。でも
油煙墨と松煙墨-淡.gif
水で薄めると、違いがわかります。左の鉄斎は茶色ですが、真ん中の黄山松煙はちょっと青っぽい。そして右の古墨はもっと青いですね。
その理由は粒子のサイズ。粒子が大きいと青くなります。そして、年代がたつと、粒子が結合して青くなる墨もあります。

壷硯-顔料.gifでも、最近は青い墨が好まれるので、わざと青くしている墨も多いのです。
左は、青い色のものを加えている墨を磨った状態。
こんなに混ぜちゃっていることもあるんですね。
油断大敵。

にかわと煤と香料で作られた墨なら2000年以上もちますが、ほかのものを混ぜた墨は不安です。
みなさま、くれぐれもご用心を。

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