2009年2月 6日

本画宣の作り方

03 紙乾燥s.jpg書道の専門家が好む本画宣。正確には「棉料四尺単宣」。薄くてよくにじむ紙は、中国安徽省で作られています。今日はそれがどんな風に作られているのか、見に行きましょう。


 

ここは中国安徽省ケイ県。有名な紅星牌をはじめとして、紙工場がたくさんあるところです。

01 安徽省宣紙看板.jpg
上が紅星牌の看板です。工場はここから車で30分ほどのところにあります。・・・が、見学拒否。
別の工場で見学できるかもしれないので、とにかく向かいました。

町に入ると
02 水牛とにわとり.jpgおおっ、水牛だ。にわとりもいる。・・・そんなもんはどこにでもいる・・・。
突然不思議な光景が!
03 紙乾燥.jpg山の中腹が白く覆われています。あちこちに同じようなものがあります。あれは何でしょう。あそこだけ雪が降る訳はないし。

05 稲.jpg本画宣の原料は、青壇と稲わらだといわれています。ここでは稲が刈り取られて、稲わらが干してあります。日本のよりだいぶ大きいサイズのりっぱな稲わらですね。
さっきの不思議な山に登ってみましょう。

04 紙乾燥 運ぶ.jpg
すごい量の稲わらを運んでいます。もっと登って行くと

07 紙乾燥.jpg
キャー、お化けの家。よく見ると、稲わらがつんであるんです。
さらにその先では
06 紙乾燥.jpg
えんえんと、山の斜面を覆っているのは、膨大な量の稲わらです。作業をしている人の姿が見えます。
こうして、雨が降り、それが乾燥してまた雨が降り、一年もたつと白くなるんだそうです。日本の紙の作り方とずいぶん違いますね。

さあ、次は紙作りを見学しようと工場に出かけると、「今日はだめ」と断られてしまいました。なんか、公安が見張っていたっぽい。
社長さんが申し訳なかったと、お昼をご馳走してくれました。しゃくにさわったので、白酒(度数が高いぞー)でたくさん乾杯をしてやりました。(ご馳走になってるんだけど・・・)
 社長さんは、お酒はあんまり強くなくて、次回には飲み屋(!)を呼んでおくので、ぜひまた来てくださいと言われました。
中国で目立つには、いっぱいお酒を飲むに限ります♪

町をあげて、秘密裏に行われている中国の紙作り。日本では想像もできないほどの規模ですね。

ビデオ「筆墨硯紙のすべてー中国編」 は、3月にDVD化を予定しています。

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