和硯産地の地図の改訂と赤間紫金石
ついでに、和硯の話題を一つ。
有名な和硯のひとつに、山口県の赤間(あかま)硯があります。
通常はこんなふうに赤茶色だと思われていますが、これは明治時代からのもので、百年ほどの歴史しかありません。
かつて「赤間に五彩あり」とうたわれた紫金石(しきんせき)は、最近、枯渇したと思われていた坑がよみがえりました
これが赤間紫金石です。すごいでしょ。
赤間石は鉱脈が五層に分かれていて、「本坂」が最上だそう。山口県赤間石生産組合では、この本坂のみを使って、高品質な作硯をしているそうです。今後に期待したいですね。
それから、前に推薦した竜渓(りゅうけい)石もご紹介しましょう。
竜渓石の中で、鍋倉(なべくら)水巌(すいがん)がとくに優れています。硯側に金色がまざっていますね。端渓(たんけい)老坑(ろうこう)と同じです。すばらしい磨り心地ですよ。