2008年2月 6日

天平筆 作れるのは一人だけ

新刊のご案内にある「集王羲之・空海 写経用紙セット」でいっしょに紹介している雀頭筆(天平筆)。これは紙巻筆で、現在、この技法を伝えるのは、15代雲平さんただ一人だけです。

動画は、DVDで販売中の「書-二十世紀の巨匠たち」第五巻の巻末で見ることができますが、ここでは静止画でご紹介しましょう。

天平筆1.jpg

これはビデオ「書―二十世紀の巨匠たち」にご出演いただいた雲平さん。奥は当時はご存命だったご尊父、14代雲平さんです。

では、「紙巻筆」の技法、行きまーす。天平筆2.jpg

ふつうの筆と同じ工程を経て、穂首を作ります。一般には、根元を焼き固めて、軸に入れますが、紙巻筆はこれからが勝負。まず糸で縛ります。こんなにちっちゃいのに、すごいですねー。

天平筆 紙を巻く.jpg

その上に、紙を巻いていきます。どんどん巻きます。こんなに太くなった!

天平筆3.jpg

さらに毛を巻きつけます。そして糸でくくって、ようやく穂首の完成です。なんという手間だ!

天平筆4.jpg

軸にすえてできあがり。これで2000円って、雲平さん、ほんとにいいんでしょうか。

テレビショッピングじゃないけど、現在注文殺到中で~す。まだ最初の分ができないのに、どんどん注文が来るので、雲平さんに電話して、追加20本、って言ったら、しばし絶句。たった一人で作っているんですもん。そのうち、天来書院の電話はとってくれないかも・・・。

ほしい方は、早めにご連絡くださいね。

ちなみに、貫名菘翁が初代雲平さんに注文し、現在も同じ毛質で作っている「菘翁筆」も人気で、これも製造中。しばしお待ちください。

 

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