2008年9月 9日

中国の墨と日本の墨

中国の墨って、堅くてなかなか黒くならないものがあります。そして、よく割れます。
割れ胡麻姿-150-モノ.jpg
朝会社に来たら、こんなになっていました。中国と日本は湿度が違うことが原因なのだと思いますが、日本の墨と中国の墨の違いをご存知ですか? 作り方が違います。

日本では、煤とにかわを混ぜた後、練ります。
日本の墨作り.jpg手や足を使って、全身の力をこめて練るんです。
中国人は、そんな墨作りを「ケーキのようだ」と言います。それもそのはず、彼らは、ハンマーでたたきます。
中国墨作り.jpg何千回、何万回もたたくといい墨になるのだそうです。すごい迫力です。DVD「筆墨硯紙のすべて」の「中国編」で動画を見ることができます。
原料も違います。こうしてたたく前に豚の脂を塗るんです。そしてにかわも違うらしい。見せてくれましたが、撮影はさせてもらえませんでした。

でも、中国の職人さんたちは、自分たちが作る墨に絶大の自信を持っています。「堅くて磨れない」なんていったらぶっとばされちゃうかも。


ちなみに、日本の墨は透明なビニール袋に入っていますね。購入したらすぐにはずす人が多いと思いますが、墨運堂さんのホームページには、しばらくはずさないでほしいとあります。お店のショーケースの湿度と自宅の湿度は違うから、慣れさせて欲しいのですって。なるほど、です。

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