中国の筆作りは日本と違う
昔は日本製の筆と中国製の筆がはっきり分かれていましたが、今は区分があやふやになっています。というのも、中国で作るととっても安く作れるからなのです。
現在、日本製だといって販売している筆の中には、穂首を中国から輸入して日本で完成させる場合、軸に入ったものを輸入して日本で銘だけを彫っている場合、日本人が指導して中国の工場で作っている場合などさまざまです。
だから前に紹介した雲平さん(父子相伝で技術を伝えている)は、とっても貴重な存在なんですよ。
それでは、中国で、筆はどのように作られているのでしょう。
中国の筆といえば、やっぱり湖筆でしょう。これは、ビデオ「筆墨硯紙のすべて」の『中国編』のロケのときの写真です。
日本では、最初に原毛の脂抜きをするために灰でもみますが、中国では石灰水につけるそうです。その石灰を洗い落としながら、大勢の女性がいっせいに作業をしています。みんな一生懸命。
もう一つ、大きな違いは、軸の銘の彫り方です。
わかりますか? 日本では、普通に軸をもって彫りますが、中国では軸を逆さにもって彫るんです。縦線の打ち込み部分を三角形に強調させるためだそうです。
中国では技術に厳しくて、この作業は40歳までしかやらせないそうです。若くないと目がよく見えなくなるからですって。そりゃーそーだけど、日本ではそんなことは言っていられませんよねー。
それにしても、昨日は居酒屋探検隊、その前は忘れえぬ人々と、カテゴリの選び方がめちゃくちゃです。性格が出てる!