2008年2月 5日

特別の羊毛筆

前回、羊毛筆の原料はヤギの毛だというお話をしましたね。今日はその中で、ちょっと特殊な羊毛筆のお話です。

晴峰三種.jpg

天来書院では、天来愛用筆を三種類ご紹介しています。上から晴峰羊毛の剛かな羊毛の剛

これ、実は羊毛だけでなく、他の動物の毛が混ざっているんです。それは鹿の毛。

鹿毛.jpg

顕微鏡で見るとわかりますが、鹿毛は中がこんなふうに空洞になっています。おもしろいでしょ?

鹿の毛を混ぜると、しなやかな弾力がでるので、書きごたえのある筆になります。自然環境や餌が変化したので、最近の羊毛の毛質は昔のような弾力が減っているそうですから、ちょうどいいのかもしれません。羊毛筆初心者にもお勧めです。

それに対して、手島右卿先生愛用筆は、純粋に羊毛のみ。

筆・寿昌7本.jpg

まさに極上の細光鋒。美しいことこの上なしですが、この毛は一匹のヤギからわずかしか取れないので、毎年、少ししか作れないそうです。

書家によって、好みやこだわりは違っています。そのうちに、ほかの方々の愛用筆もご紹介していきましょうね。

 

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