4月末にギャラリーが引き渡しされて以降、屋内の修理と掃除、庭木の剪定と草刈りを続けていました。
正直、家の修理と掃除をやっている感じでリノベーションはまだ先になりそうです。
それでも、少しずつではございますが、皆様にお見せ出来る状態になってきましたので現在の状況を共有させて頂きます。

最初は住居1階の中廊下です。
この箇所は傷みが酷く、階段が昇降時にグラグラ揺れて全体に約3cm前後凹んでいました。
加えて階段下の廊下は畳に凹みが3箇所あり真っ直ぐ歩けない状態。一緒に立ち会った友人には「これは素人では修理は無理!大工仕事だよ」と言われて、確かにそうだなぁと思いつつも、友人が帰った後に一人で恐る恐る畳を捲り、床板を剥がしてみました。正にパンドラの蓋を開けてしまった感じです。

すると幸いなことに、床下は意外に綺麗な状態で湿気もなく救われました。床下に潜ってみると、床板を支える根太が8本中3本も束から外れているのが分かりました。恐らくはここ数年続く地震の横揺れで外れたものと思われます。築100年弱の家の割には根太が綺麗なので色々見てみると丁度20年前の新聞が出てきたことから20年前に修理されていたことが分かり、少しホッとしました。

作業は外れていた根太を元に戻しネジ釘で固定。
階段をジャッキアップしながら根太を固定して金属製の束で2箇所を下から支えることにしました。念の為、束の下に砕石を敷き固め、その上にコンクリートの束石を水平を出して乗せました。おかげで階段の揺れも収まり、安心して昇り降りが出来るようになり、廊下の凹みも無くなりました。職人の家系故にこの位の大工仕事は自分で熟します。ただ、雄に100kgを越すような階段のジャッキアップは怖かったです。このタンス階段、朱と黒のツートンで何気に趣があります。

次は別邸の廊下。
廊下を歩くとキュルキュル音が出る、凹んで歩けない箇所が2箇所あり。ここも同じように床板を捲ると根太、それを支える束自体が外れて落ちていました。
住居と同じ時期に修理したようです。使われていた根太の材質で分かりました。根太の固定に大きな釘を2本打っているですが、その釘が2本とも根元から切断されていました。改めて地震時に瞬間的に発生するパワーの凄さを思い知らされました。

次は土間の欄間です。
下には落ちてはいないものの、木組みはほぼ崩壊。真ん中の意匠部分は外れ、正直どうしたものか?と思っていました。
知り合いの職人に見てもたったところ、修理するよりも同じサイズの既製品を買った方が安上がりだと。うーむ。駄目元で本体を外し作業台の上に置いて自分で修理を試みました。2箇所フレームにあたる木が折れていて相当厳しい状況。それでも、側面から見た凹凸を当て木で平坦にし、折れた箇所と外れた箇所を少し削ったりと微調整しボンドで一つずつ接着。ウルトラC的に難易度が高く(手が2本では足りず猿のように両足も使う)根気の要る作業でした。奇遇にも曽祖父が輪島塗の重箱やこうした欄間を作る職人だったのでDNAを少しだけ受け継いだのか?彼が見兼ねて助けてくれたのかも知れません。

こちらは玄関の欄間です。
これも地震か台風で下に落ちてしまい蔵の中に保管してあったのを見つけました。これも枠を修理してガラスを入れ地震や風で外れないように元の位置に固定しました。

途中、庭木の剪定と草刈りの為に前職時代の後輩に遠路来てもらい協力いただきました。本当は大工仕事も頼みたかったのですが、彼のノコギリの使い方を見て諦めました(笑)。

剪定した木の枝と刈り取った草は軽トラック4杯になりました。
庭が綺麗になったのは有り難いのですが、この状態を維持するには冬に入るまでの間、おおよそ2週間毎に草刈り&刈り取った草の廃棄をする必要があリます。頑張れば頑張っただけ自分で自分のハードルを上げるような気がします。

以上のような状況です。
これから先の修理は輪島一の腕前との誉の高いレジェンド大工さんと交代します。
父の知り合いで忙しいところを合間をみて作業していただきます。

修理箇所はお客様用のお手洗いとダイニングのフローリング化です。いずれも床材は能登原産の能登ひば「あすなろ」という木を使います。ただ、相当お忙しいようで完成時期が読めません。

毎日夕方作業が終わると庭を見ながら一息入れて海までジョギングするのが日課になっています。