2月20日から3月5日まで、蔵前の「シエロイリオ3F EAST ギャラリー」で開催中の「青栁派の硯展」へ行ってきました。
都営浅草線の蔵前駅から徒歩5分。ちょっとわかりにくいので、説明しますね。ほぼ中央下に灯りが見えますね。ここなんですが、
レストラン? レストランなんですが、よっく見てください、左にちっちゃく←「硯展」の札が。
この階段を登ります。
会場内は撮影禁止なのですが、ブログに書くため、撮影させていただきました。
左のパネルには展示のご案内、奥には実際に硯を彫る青栁貴史さんの動画が放映されています。その左に青栁貴史さんが見えますね。あの、情熱大陸に出演された青栁さんです。会期中、ずっと会場でお客様をお迎えしていますよ。
ちっちゃい頃の青栁貴史さん。
現在の青栁貴史さん。
というわけで、(どんなわけなんだか)会場の様子をご紹介しましょう。
左側には、明代、清代の硯式(硯のデザイン)による作品が並んでいます。書家になるために古典を臨書するように、製硯師になるためには、過去の優れた硯式を学ぶのです。石は、中国の三大名硯といわれる「端渓(坑仔岩)」「歙州(きゅうじゅう)」「澄泥(ちょうでい)」。格調高い硯が並びます。
続いて、少し小型の硯。これがすごかった。
端渓(たんけい)の中でも貴重な老坑(ろうこう)の硯二種。細く白い線が「氷裂紋(ひょうれつもん)」、白く茫洋とした部分が「蕉葉白(しょうようはく)」、青くなった「天青(てんせい)」、青紫の小さな斑点が「青花(せいか)」。こんなに美しい石はめったにありません。紋様はどの部分かって? 会場に行けば青栁貴史さんが優しく教えてくれますよ。
これは歙州硯(きゅうじゅうけん)。緑色がかった素晴らしく美しい石です。左は、眉のように見える「眉子紋(びしもん)」、右は波のような「波濤紋(はとうもん)」。彫刻などせず、シンプルな形にして、石そのものの美しさを味わいます。これが「青栁派」の仕事。
自然形の硯板です。最初は黒かったのに、彫っているうちに左下の「眼(がん)」が見えてきたそう。漆黒の空に月が浮かんでいる風景が見えませんか?
手を加えず、石そのものが持つ美しさを引き出すこと、手のひらに乗る自然の絶景、現在の青栁貴史さんが求めるのは、そういう硯なんです。
参考展示もあります。左は硯になる前の原石。それぞれ色が違うのがわかりますね。右は彫るためのノミ。
硯の世界を堪能した後は
会場を出て、30秒でこんな風景に出会えます。黄昏時。そうなれば
歩いて10分、今井総本家はふぐとうなぎのお店です。
美味しいお酒と
まぐろの中トロ、白魚のおさしみ。
かれいの煮つけ。
そしてやっぱりうな重です。
展示されている硯は、書籍『製硯師』に美しいカラー写真で紹介されています。2500円+税というお得な価格。会場でも、天来書院からも、アマゾンからもお買い求めいただけます。