現在開催中の展覧会「書宗院展」に行ってきました。
書宗院(しょそういん)は、比田井天来一門である桑原翠邦(くわはらすいほう 1906-1996)先生の創立された、古典重視の歴史ある書道団体です。
会期:2022/7/27㈬〜8/3㈬ 於:東京都美術館 1F
今回の特別展示は「比田井天来生誕150年記念展」として、天来の作品を多数展示しています。
天来は創作するにあたり、欠かさず書稿(草稿)を作っていました。いわゆる「作品」ではありませんが、これには作品制作の過程が見えるようであり、完成されたものとは違った親密な温度のようなものが感じられます。
その生涯で数多くの書稿を遺しましたが、鑑賞すべき秀逸なものも多く、それらも今回の展示の一角を成しています。
一方では、比田井天来の生涯を語る上で欠かせない「出版事業」に関するものが展示してあります。
天来が出版してきた書籍の題箋(だいせん=主に和綴じ書籍などのタイトル部分)です。自身で書いた「昭代法帖」や「朝鮮書道菁華」などの題名が並びます。自ら培ってきた知識や思想を敷衍すべく、旺盛に出版を行ってきました。それが現在の天来書院にもつながっています。
つづいて、書宗院の方々の出品作を、ごく一部ですがご紹介致します。
この展覧会は臨書作品、かつ半切限定です。このルールの中で書き手自身の感性がいかに反映されているかが見どころです。目を養うには最高の展覧会です。
上の画像右4点は台湾からの特別出品です。比田井天来が書道研究機関「書学院」設立のため奔走していた大正の当時、台湾にも遊歴していました。この縁がこの時代に実を結び、今つながっています。
詳しくはこちらhttps://www.shodo.co.jp/blog/yume2021/99/
明日(7/30㈯)は特別展示に合わせて、比田井天来の作品についての講演会が開催されます。
同じく東京都美術館の講堂で15:45からです。こちらもどうぞお楽しみに。