象さんの耳打ち
天来書院
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光ミュージアムにて「桑原翠邦が求めた書」展が開催されます

 

桑原翠邦揮毫

 

驚愕の筆さばき。

 

DVD『桑原翠邦 書宗院展60回記念』では、目も止まらぬ速さで次々で字が紡がれる様が我々を魅了しました。

 

桑原翠邦近影

桑原翠邦(1906-1995)。

比田井天来の愛弟子として、その期待を一身に受け、天来の唱える学書理論を敷衍すべく全国を巡りました。

翠邦は「旅の書家」とも呼ばれ、その作品は日本中に数知れず遺っていると言われます。

そのような中から、今回はこれまで紹介されていない未発表作を中心とした80点あまりの作品が一挙展示されます。

作風は古典に根ざしながら実に多彩。含蓄と風韻を備え、渾厚にして繊細。思うがままです。

油の乗った壮年期から晩年までの幅広い年代から作品を選出し、満を持して公開される貴重な機会となります。

 

チラシ

『桑原翠邦が求めた書』

【会期】2023/4/20〜6/5

【会場】岐阜県高山市・光ミュージアム https://h-am.jp/information/index.html

 

「我々は書道を愛する。一生の仕事として書道を愛する。

前の時代から「書道」をうけつぎ、次の時代に書道を引きつぐために、あく迄も精進し、挺身しなければならない。

書道が栄えるとか衰えるとか、そんなことは考える必要もない。栄える衰えるということは、時勢にもよるところが多いが、書道人自身の努力如何にかかわることが多い。(中略)

我々は今こそ、明日の書道のために挺身してはたらこう。(略)」

『書宗』創刊号  巻頭言より

 

比田井天来門下には、時代の変遷を強く意識し、現代書の新たな世界を開拓していった匠たちが多くいました。

そのような中で、古くから脈々と受け継がれる「書」そのものを強く信頼し、揺るぎなくまっすぐ歩み続けたのが翠邦です。

あくまで「雅」「高」「真」を求め、自らが高くある様を見せることが「教える」「伝える」ということであると強く信じ、実践した人でした。

書の真髄を会得し体現すれば、次の時代にもおのずと何か良いものが生まれてくる。翠邦の意識した「未来」はそこにあったように思います。有史以来の書の営みの中に自らを位置づけ、常人には及びもつかない壮大な時間感覚で物事を捉えていたのかもしれません。

 

令和の時代に生きる我々がなすべきことは何なのでしょうか。

この展示から何か受け取ることができればと思っています。

  


 

図録

なお、当展覧会の作品集を天来書院が制作させて頂きました。

https://www.shodo.co.jp/books/isbn-349/

作品集はすでに完成しております。販売受付を開始しており、ご予約の方には順次発送しております。到着をどうぞ楽しみにお待ち下さい。

会期中は光ミュージアムのショップでも販売しております。

ショップでは、DVD『桑原翠邦 書宗院展60回記念』も取り扱って頂いております。翠邦の書きぶりが堪能できる希少映像満載の作品ですので、併せてご鑑賞下さい。