高さ20cmくらいの低木。緑色の葉に囲まれた中に赤い実をつける華麗な植物です。緑色の葉と美しい赤い実のコントラストが特徴。葉や実が柑子に似ていて藪の中に生えることから「藪柑子」という名が付いたようです。「松竹梅」や「福寿草」と共に縁起物としてお正月や祝い事に使われてきました。

また、古くは『万葉集』の中でも山橘(ヤマタチバナ)の名で詠まれ、日本人に愛されてきました。ちなみに、喉や気管支炎に効果があり、中国では「紫金牛」として薬草に使われてきました。花言葉は「明日への幸福」。

江戸後期に葉に斑が入る種類が好事家の間で人気をよび、多くの品種が作られました。その後、明治後期には新潟県を中心に多品種が作られ一大ブームを巻き起こしたようです。

作品の絵は何とも可愛らしく、女性の蒔絵師の作品に間違われそうなくらいです。また、本体の下側に金を散りばめバランスをとっているのもセンスがいいですね。30年以上前に作られた作品ですが、時代を感じさせないデザイン、素晴らしい逸品だと思います。