皆様、こんにちは。
連休、いかがお過ごしでしょうか?
私が住む神奈川県も新型コロナの感染拡大が続いていることから残念乍らこの連休は外出を自粛しています。
ちなみに、ベランダでは桃色の藤が満開になりました。

時間的な余裕があるので先日投稿した棗を一つずつご紹介致します。ご覧いただき皆様の気分転換になれば幸いです。

作品のモチーフは鈴虫、松虫、椿、撫子、藪柑子、鉄線、遠山の7種類。いずれの作品も実家に保管されていたものです。いずれも30年以上前に作られたものです。尚、一部の作品は母親が磨きの工程に携わりました。

初回は椿です。
冬から初春に咲く椿は、我々日本人にとって身近で関係の深い花だと思います。絵画や工芸においては桜や梅と並び常に人気のモチーフ。古くから今日に至るまで様々な形で描かれてきました。ちなみに、花言葉は「控え目な素晴らしさ」「謙虚な美徳」。

色々調べていくと、古くは「日本書紀」、「万葉集」や「源氏物語」にも椿が出てきています。また、茶の湯の流行は椿を一般に普及させました。冬から春にかけての茶花として初めて椿を愛用したのは千利休だったようです。豊臣秀吉も椿を好み茶の湯に用いたといわれ、茶の湯において椿はとても珍重されてきました。

また、江戸時代には徳川秀忠(二代将軍)が椿を好み、庭園を作り全国の諸大名から色々な椿を献上させたとか。そうしたこともあり、以降は絵画や工芸品の題材に椿が使われるようになったようです。

この椿のパネルは別の蒔絵師の作品です。輪島の冬の風景を思い出させてくれる作品です。
余談になりますが、彼もまた父親の同級生でした。釣り好きで海辺に住み、釣り三昧の生活を送っていました。昼間は蒔絵師として仕事をする。そして夕方から海に漁に出る。彼のライフスタイルは子供の頃からの憧れでした。