2013年2月 1日

これが双鉤塡墨だ!

双鉤塡墨s.jpg
新発見の王羲之書「大報帖」は「双鉤塡墨」という方法で複製されたものだといわれています。双鉤塡墨は「輪郭を描いて中を塗りつぶす」といわれていますが、実際はどうだったのでしょう?




得示帖 故.jpg 有名な「得示帖」の中の「故」という字。この顕微鏡写真があります。


故 部分.jpg
この部分です。

双鉤塡墨.jpg こんな感じです。跳ね上げた部分、細〜い線で何本も何本も書いています。すごい技術!
でもね

臨のページ.jpg 職人さんは学者じゃないので、筆の跡がわからないとこんなふうになっちゃいます。これは『喪乱帖』ですが

双鉤塡墨の誤り 臨.jpg
「臨」という字の偏、太い一本の線になってしまっていますが、本来は左下の骨書のように書くべきですね。

喪乱帖拡大本 書影.jpg 以上、新刊『拡大本 王羲之喪乱帖拡大本付九種』(高橋蒼石編)からの抜粋です。
ちなみに、明日、2月2日午後3時5分から、NHKテレビで「書聖・王羲之の革命」という番組で、双鉤塡墨を再現するそうです。出演は石川九楊さん、国立博物館の富田淳さん、ほか。
どんなになるか、ちょっと不安だったりして・・・。

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