『書譜』を知る・学ぶ 高橋蒼石の臨書教室
『書譜』は、草書の名品として必須の古典ですが、文章の内容も、「書論」の名著として必読のものです。
何が書いてあるかというと
1 古人の書の品定めをした部分
2 書体を論じた部分
3 書の技法を解説した部分
4 書を学ぶ方法を究明した部分
1と2の結論は、王羲之の書が優れているということで、これについてはよく知られていますね。
3は「執・使・転・用」という四つの筆法について。そして書の個性についてですが、つまり偏っていてはいけないというんです。
剛直な人はかたくなで潤いがない、元気な人は乱暴すぎる、温和な人は柔らかすぎる、気楽な人は技巧が失われている、謹厳な人は窮屈、などなど。すべてを兼ね備えている王羲之が最高、というわけです。
4は、若い人と年老いた人との違い。そして書を学ぶには3つの段階があること。平正→険絶→平正。
これは『書譜』の冒頭部分。かしこまって書かれていますが、論が進むにつれて興が乗り
楽しくなってきますね。
緑色で線を引いた部分は「節筆」と呼ばれています。裏から空罫を引いているので、山の部分に筆がひっかかり、独特の表現になっています。
というわけで、19日午後8時からは、尾崎學先生(『王羲之の手紙ー十七帖を読む』の著者)も加わっていただき、
『書譜』には何が書いてあるの?
『書譜』を臨書しよう
「節筆」って何? (実際に紙を折って実験します)
などの内容でお届けします。もちろん、柳家右太楼さんが『書譜』にチャレンジするコーナーもありますよ。
それから8時45分からは、誠心堂書店さんが、いろいろな書譜の印刷本をもってきてくれます。墨跡本と刻本についての説明もあります。
最後は、もと精華堂営業部長、現在は清秘蔵代表の早川さんが、「書道の紙」についてお話しします。
中国の本画宣が大幅値上げをしましたが、これと同じ原料や方法で製造される、良質で安い紙の紹介もありますよ。
ぜひご覧ください。ここで見ることができます。放送終了後も録画が見られます。