象さんの耳打ち
天来書院
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本をお伴に、行ってきました1(書のある散歩道かながわ)

『書のある散歩道かながわ』好評発売中です。

書影
https://www.shodo.co.jp/books/isbn-348/

特に神奈川県内の図書館や学校関係から多くご注文いただいております。

以下の書店・書道用品店にも新刊配本させて頂いております。
ありがたいことに、一部店舗で売り切れのため補充在庫をお送りしました。常に在庫があるかどうかわかりませんが、この本を実際に見てみたいという方はぜひおでかけ下さい。

 


 

【書道用品店】
・ゴールデン文具
〒231-0062 神奈川県横浜市中区桜木町1丁目1 ぴおシティ 3F

・横浜キョー和
〒231-0014 神奈川県横浜市中区常盤町2丁目17

【書店】
・ジュンク堂書店 藤沢店
〒251-0052 神奈川県藤沢市藤沢559ビックカメラ藤沢店内

・ブックファースト 青葉台店
〒227-0062 神奈川県横浜市青葉区青葉台2丁目5−1 東急スクエアSouth-1別館 3F,4F

・有隣堂 伊勢佐木町本店
〒231-8623 神奈川県横浜市中区伊勢佐木町1丁目4−1

・有隣堂 厚木店
〒243-0018 神奈川県厚木市中町2丁目6 三成ほてい屋第一ビル

 


 

さて、本書をお手に取られた方は、巻末に地図が付いていることにお気づきかと思います。

地図サンプル

この地図は、あくまで「概略」です。横浜の道がこんなに少ないわけがありませんね・・・。
公共交通機関を使って、目的の碑まで最低限たどりつける程度の道路のみ描画しています。

半透明にしたGoogle Mapを重ねて道をトレースするのですが、入り組んだ場所や、適当なランドマークがないところは中々に難しく、もしかしてたどり着けない場所もあるのでは・・・と心配でした。

本書掲載の写真は著者から頂いたもので、編集者が撮ってきたわけではないからです。

そんな場所が3箇所あります。

 


 

京急日ノ出町・天神阪碑(吉田勘兵衛の碑)

その中の1つ、「天神阪碑」。

天神坂碑

本書p.32「6.お三の宮日枝神社2」で紹介されています。
吉田新田を開墾した吉田勘兵衛の顕彰碑で、一度震災で倒壊していますが、昭和9年再建となっています。

本書のこの第6項では、前半で日枝神社、後半で天神坂碑を紹介していますが、場所が互いにかなり離れています。
どちらかといえば第1項の成田山別院や、2・3の伊勢山皇大神宮の方が近いため、探訪に行かれる方はこれらと組み合わせるのも良いかと思います。いずれにしてもよく歩きます。

 

さて、本書巻末地図「横浜・川崎」の中央やや下に天神坂の記載があります。

天神坂碑位置

ここに一応、日ノ出町駅からの道を示してはおりますが、Googleストリートビューで見ることができない位置にあるので正確でない恐れがありました。

 

なので、本書を片手に行ってきました。

ある夏の日のことです。

 


 

探訪

①日ノ出町駅から京急ストアの方へ出ます。
記憶が定かでないのですが、出口はここだけだったような気がします。
右奥に薬局が見えますね。そこに向かいます。

道順①

②薬局を過ぎて左に路地が伸びています。
遠くの突き当りに見える階段まで進みます。

道順②

③さきほど見えていた階段です。
ここを登らずに左を見ると・・・

道順③

④線路下をくぐれるようになっています。
夜はちょっと怖いですね・・・。勇気を持って進みます。

道順④

⑤線路下をくぐり抜けてすぐ右を見ると、崖上に向かう階段があります。
これを登ります。

道順⑤

⑥登り切ると分かれ道ですが、これを右に曲がります。
よく見ると足元に黒い道標が出ていますね。

道順⑥
道標
「BAR 崖と階段」・・・

⑦右へ進むと、また階段が現れます。

道順⑦
「BAR 崖と階段」も右手側にちゃんとありました。昼間はもちろんおやすみ。現代美術が好きな人があつまる隠れ家的バー、というより隠れ家そのもの。

⑧石段を登ると道が左に折れ、登った先に竹の柵で囲われた何かが見えます。
なお、ここで右へ進むと線路を越える橋があり、やがて③の階段に通じます。なのでそちらからでも行くことができます。

道順⑧
道順⑨

ついにたどり着きました。

 


 

まとめ

今回たどった道筋を下に示します(番号は上掲の写真と対応しています)。

直線距離は駅から近いのですが、そこにたどり着くには細く入り組んだ路地を抜け、急勾配を登らなければなりません。

新しい道順

本書に掲載の地図との違いは、

・まず出発時点で、碑の方向に向かう駅の出口がないので、いったん東に迂回する必要があります。

・写真⑥の分かれ道で左奥の階段を上がるような描き方になっていますが、申し訳ないことにこれではどうやら行き止まりにあたってしまうようです。幸い、現地にわかりやすい道標がありましたので、これに従って進めば良いようです。

 


 

実物鑑賞

碑・拡大

本書の写真では刻まれた文字までは少し見えづらいかもしれません。せっかくなので間近で鑑賞しましょう。
するとだいぶ印象が鮮烈です。

上下断裂され建て直された碑の形状そのものに厳しさがあり、そこに刻まれたきりりと誠実な文字が強く訴えかけてきます。何も知らずに下を向いて通り過ぎるのを許さない引力があるように思えます。

 


 

そして階段を上りきると、自分がどのくらい登ってきたか確認できます。
距離は大したことないわりに、かなりの高さ。どうりで疲れるわけです・・・

天井を登りきった先

ここから先、横浜迎賓館などを抜けて、野毛山へ出ることができます。

次回も、編集していて気になった碑へ出かけます。ぜひ御覧ください。