昨年12月15日、臨書展授賞式の翌日に行われた「天来まつり」は、
川村龍洲先生による講演と揮毫、また比田井天来生家を訪れるという内容になりました。
臨書展に関する一連の記事から年をまたいでしまう形となり申し訳ございません…
陽光まぶしい初冬の佐久。かすかに野焼きの香りがします。
2日目、臨書展オプションツアーでは
・驥山館館長 川村龍洲先生による、信濃の地に縁の深い墨客文人をご紹介頂く講演「信州ゆかりの書人」と、揮毫会。
・比田井天来生家にて所蔵作品および門人の作品の鑑賞。
が行われます。
地元の方も含め、多くの方が詰めかけました。
川村龍洲先生。
日展会友、読売書法展理事・審査員、長野県書道展運営委員長などを務めていらっしゃいます。
ちなみに、甲子園の実力校「佐久長聖高校」のユニフォームにあるこの字は川村先生の手によるものとのご紹介に、会場からどよめきが。
さて講演ですが、信濃出身であったり、信濃に身を寄せていた著名な人物を、書をキーワードに江戸時代までさかのぼり発掘していきます。
書道に関わっていると、川村驥山、田代秋鶴、津金寉仙、上條信山の名は耳にします。
その他に、小林一茶、佐久間象山などは著名ですが、浅学な私などではわからないような人物までおよそ60人以上のエピソードと作品を紹介して頂き、大変勉強になりました。
地元の方々も時折関心したように声を上げたり相槌を打たれていましたが、長野県民の地元愛の深さは並々ならぬものがありますね。
噂では県歌をみんな歌えるそうですが、真相はいかに…
そして揮毫会。楽しいおしゃべりを交えながら、なごやかな雰囲気で書き上げていきます。
顔真卿『争坐位稿』。左は竹の筆で書かれており、面白い線の作品です。
お昼は地元の方の、地元の食材だけを使用した心づくしのお料理を頂き、続いて比田井天来生家へ。
中まで見せて頂くことは普通はありません。
広い日本家屋ですが、たくさんの作品が並べられた中にこれだけの人数が詰めかけてしまうと、ぎっちり(汗)。
もちろん、この状態で普段寝起きされているわけではありません。
天来の会書展でも展示された、書学院同人による寄せ書きにも再会。
高橋蒼石先生がひとつひとつ解説して下さいました。
たった2日とは思えない充実した時間。
たくさんの方のお世話になり、ご縁を頂きました。
私自身は4回目の臨書展ですが、来るたびに作品鑑賞のしかたも、刺激の受け方も変わっていくのを実感します。
おなじみのお顔が増えていくのも楽しみのひとつです。
来年、佐久で再び会いましょう!