潘存の予言

潘存予言拓ss.jpg梧竹は 明治15年10月、一時帰国の余元眉に伴われて北京に渡り、潘存についた。ときに56歳。
潘存は 梧竹の将来を予言した。

 

 


潘存予言拓 新s.jpg書法が晋に勝って盛んな時代はありません。

晋の筆意はみな古奧から出ています。

前五代、六朝の時に至っても晋の時代の筆意は残っていましたが、さらに降って隋・唐以後となると、書家たちはみな時勢に趨る者が多く、根本は浅薄となり、元気も遂に大半は失われました。

聞くところ、あなたは古えに志をもち、本々原々にさかのぼって工夫研究なされようという、まことに大志を抱くお方です。将来かならず古えの鍾繇・王羲之に拮抗する大書家として大成されるに違いありません。うらやましい限りです。

有名な「篆勢・分音・草情畢く具わる」の讃辞は、いわば鄭道昭のランクに達したとの評価。鍾繇・王羲之となると3000年の書史を通じ最高レベルのランクだ。

「あなたは、きっと そこまで到達するにちがいない !! 」最高に ワンダフルな予言。梧竹の胸のうちに生起した思いは、どのようなものだったろうか。

 書法莫勝盛于晋 筆意出皆古奧 至前五代 六朝時
猶有晋之遺意 降至隋唐以後  各書家倶趨時者多
根本薄而元気遂失大半  聞閣下有志于古 従本々
原々上作工夫 実為大有志之士 将来必可与鍾王
抗衡矣 羨々

 

 


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