

皆様、こんにちは。
私がかつて暮らし、創作に励んでいた石川県輪島市。令和6年1月の能登半島地震により、自宅・工房・ギャラリーの大半を失いました。
現在は金沢市に拠点を移し、創作活動を続けながら、輪島塗の魅力を国内外に発信する場としてこのミニギャラリーを開設いたしました。
昨春に実施したクラウドファンディングでは、多くの皆様から温かいご支援をいただきましたこと、あらためて心より御礼申し上げます。
ギャラリーは金沢市中心部のモダンなビルの一角、扇形の美しい曲線と大きな窓が特徴の、自然光がたっぷりと差し込む明るい空間です。
酒器、食器、茶器、アクセサリーをシンプルに分けて展示し、小さな工房も併設しています。
観光名所からも好アクセス
金沢市の人気観光地からも徒歩圏内です。観光の合間に、どうぞお気軽にお立ち寄りください。
https://maps.app.goo.gl/6MceeHBFLMSf3wMc6
• 香林坊:徒歩2分
• 金沢城(鼠多門):徒歩5分
• 長町武家屋敷跡:徒歩6分
• 兼六園・近江町市場:徒歩11分
• 21世紀美術館:徒歩12分
• にし茶屋街・鈴木大拙館:徒歩18分
• 泉鏡花記念館:徒歩21分
• 金沢駅・ひがし茶屋街:徒歩25分
展示内容のご紹介
螺鈿の輝きを楽しむ展示スペース
光の角度によって七色に煌めく螺鈿の美しさを引き立てるため、展示は自然光を活かしたシンプルな構成にしています。作品のジャンルは酒器・食器・茶器・アクセサリー。併設する工房では実際の制作風景をご覧いただけることもあります。
ビンテージ輪島塗の展示
もう一つの見どころは、輪島が生んだ名工たちの作品を集めたビンテージ輪島塗の展示スペースです。スペースの都合上、小物中心の展示となりますが、伝統工芸の奥深さと美を感じていただける構成としています。
現代作品と歴史的名品が共存する、温故知新の場をぜひ体験してください。
エントランス
玄関から展示室へと続くエントランスには、私が創作活動を始めた頃のデザイン画や、輪島時代のギャラリー・庭の風景写真などを展示しています。金沢に至るまでの歩みをご覧いただける小さな「物語の回廊」です。
展示デザインのこだわり
展示構成は、乃村工藝社で数々のミュージアムを手掛けたデザイナー、宮越氏が設計。シンプルながらも洗練された動線と空間構成で、まるでアートギャラリーのような雰囲気です。やはり、グッドデザイン賞を受賞した経験のあるカリスマデザイナーは我々の想像を遥かに超えていました。
また、かつて復興支援でご縁をいただいた乃村工藝社の伴野氏(長野県佐久市出身。お父様は比田井天来の作品を多数保管している伴野酒造をご兄弟で経営されていた)とのご紹介でこの空間が生まれたことにも、深いご縁を感じています。被災からの再起という背景も含め、多くの想いが込められた空間です。
なぜこの場所を選んだのか
当初は風情ある東茶屋街での開設も検討しましたが、採光や湿気の問題から断念。
螺鈿は自然光の下でこそ最も美しく輝くため、明るい光が降り注ぐこの物件に巡り合えたことは、偶然ではなく「縁」だと感じています。
おもてなしの空間
ギャラリー内には、遠方から訪れてくださるお客様に向けた一席のもてなしの空間もご用意。
犀川や武家屋敷跡の街並み、遠くには日本海まで望める絶景が広がります。
水平線に沈む夕陽とともに、作品を味わっていただければ幸いです。
今後の展望
輪島では、倒壊を免れた棟の修繕を少しずつ始めています。大工さんの手配が難しい中、思いのほか進捗は遅れています。その為、ほぼ毎週輪島に戻り、自らも手を動かして大工の手伝いをしながらリノベーションを進めています。
8月末を目標に輪島の工房を再開し、同じタイミングで金沢のミニギャラリーはスペースを拡大し新店舗に併設予定です。
今後も、日本の漆芸の頂点とされる輪島塗の技術と精神を未来に繋ぐために、全力を尽くしてまいります。
次回のブログでは、輪島での再建の様子をご報告いたします。
どうぞ温かく見守っていただけますと幸いです。